教育

想像力こそ人間に圧力を加えて、勇気と冒険へ促す母体

----- 行動自体は、心理の暇もないほどの速さで普通行われる。心理は前かあとに存在するのである。しかし未来を思い、過去を思うのは人間の特性であり、動物にはない想像力というやっかいな能力が人間を掣肘している。特攻隊も想像力に悩まされることがなか…

文字が読め数がわかるといったことも子どもにとっては新たな発見であり、感動的なこと

----- 子供にとっては学校生活のひとこまひとこま、授業の一時間一時間は、新しい世界が開かれる機会であるはずです。小学校の基礎教育も「わかりきったことを教える緊張感のとぼしい仕事」ではありません。文字が読め数がわかるといったことも子どもにとっ…

論理的に喋る能力を身につけるよりも、論理的に喋れない立場の人びとの気持ちをくみ取れる人間に

----- 東日本大震災以後、リーダーの資格ということが多く問われてきた。大学でもリーダーシップ教育が、声高に叫ばれている。 通常、そういった場面で言われるリーダーシップとは、人を説得できる。人々を力強く引っ張っていく能力を指す。しかし、私は、こ…

異なる価値観と出くわしたときに、物怖じせず、卑屈にもならず、粘り強く共有できる部分を見つけ出していくこと

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試行錯誤の振幅が大きいければ大きいほど、子どもはたくましく成長する

----- 答えを見つけることが大事なのではなく、答えを見つけようとして、あれこれ考えることが、本来、教育の目的であるはずなのに、それが授業の中で忘れ去られているから、自分の頭で考え、自分の足で歩こうとする子ほど、問題児扱いされてしまうわけです…

「ごめんね」「まあ、いいですよ」という言葉が交わされることを無数に積み重ねることによってしか国民国家のあいだのコミュニケーションは構築されてゆかない

----- 一人の国民は、その国を代表する。 その国を代表して、他国民を糾弾する権利があり、他国民を許す権利があり、他国民の前にうなだれる権利がある。私は国民国家というものは、そのような一人の国民の「代表権」の幻想のうえにおいてのみはじめて健全に…

教師も子どもから学んでいる

----- 相手はさまざまですが、学んで変わるためには、必ずもう一方の支えが必要です。ということは一方的に、ものを教えるという関係は成立しないということになります。 あるのは学び合いという関係です。教師も子どももそうです。 わたしが、子どもに学ぶ…

教養は人の生き方であり、一人一人が自分の生き方を社会との接点を求めて考えていくこと

----- 教養とは何かという点について共通の理解がないためである。私はすでにこの問題について世に問うたことがあるが、そこでは教養は人の生き方であり、一人一人が自分の生き方を社会との接点を求めて考えていくことだとした。そしてこれまでの教養の理解…

優れた人との出会いが、向上心を刺激し、人間性を高める

----- 一人の静かな時間は、人を育てる。 人と楽しくコミュニケーションをする中でももちろん人間性は養われるが、一人きりになって静かに自分と向き合う時間も、自己形成には必要だ。音楽を聴きながらボーっと一人でいる時間も楽しい。 しかし読書は、一定…

子どもは一つの宇宙

----- 教師が授業でみんなに同じことを教えても、子ども(生徒)はそれぞれに違う範囲とレベルにおいて受け取る。違う内容を受け取っている可能性もあるし、まったく受け取っていないかもしれない。それほど子ども(ひと)の固有性や独自性は、強烈なもので…

何をカバーするかは問題じゃない、重要なのは君らが何をディスカバーするかだ

----- 最近亡くなった世界的に有名な物理の教授は、一年生がとる物理のクラスを教えていたのですが、学生に「今学期はどんな内容をカバーするのですか」と聞かれて、「何をカバーするかは問題じゃない、重要なのは君らが何をディスカバーするかだ」と答えた…

男はドンと胸をはれ!!!! by トムさん

----- カントは極貧の幼年時代・少年時代・学生時代を過ごした。そして、一七四六年、二二歳でケーニヒスベルク大学を卒業した彼には、不安定で貧しい長い長いフリーターの生活が待ち構えていたのである。彼が大学の正教授としてのポストを得たのは、じつに…

ひとは他者に勝ったときに幸せになるのではなく、他者に役に立つ存在になったときに幸福や生き甲斐をや永遠を感じる

----- 私たちの生きる喜びや確信は、高偏差値や、高収入や、「勝ち組」という価値観とは違うところから導きだされるはずである。私も広田氏とともに、ひとは他者に勝ったときに幸せになるのではなく、〈他者に役に立つ存在にな〉ったときに幸福や生き甲斐を…

子ども一人ひとりに構成されている生活が、あるいは理想的な親子関係や家庭が、子どもたちを「知」の世界に導く直接の契機になるわけではない

----- 私も生活と勉強は切り離して考えていない。生活が構成されていないと勉強への取り組みはむずかしい。生活と勉強は地続きだと思う。子どもは精神的に安定している必要がある。親との交流や家庭のあり方は勉学にも大切である。 しかし、子ども一人ひとり…

人間を理性だけと考えることが危険なのである。

----- もともと特別なのだら文化的動物に鍛え上げる必要はなく、ただ知識を学んで「知」的に上昇していけばいい。勉強することは人間の本質(本性)であり、自然に内から溢れ出てくる力なのである。だから、何もひとは変革されなくてともただ「知識を学ぶ」…

子どもたちの触手が「外へ」と拡がる契機となるもの

----- 子どもの言語状況は「言葉があまって思いが足りない」というかたちで構造化されるべきでしょう。それゆえ、美しく、響きがよく、ロジカルな「他者の言葉」に集中豪雨的にさらされるという経験が国語教育の中心であるべきである。私はそういうふうに考…

みんなが同じイデオロギーに乗って愉しく踊っていたら、気がついたら「そんなふう」になってしまいました

----- 「自分らしさ」は「商品購入行動」でしか表現できないというイデオロギーが支配的なものになったのは、八〇年代から後のことです。それまで消費単位は家族でした。家族が消費単位であると、消費活動はあまり活発ではありません。消費に先立って「家族…

「知りません。教えてください」

----- 繰り返し申し上げているように、専門教育では、「どうしてこんな教科が存在するのか?」という根源的な質問はしてはならないことになっています。でも、現場ではいきなり「先生、なんでそこに突っ立ってるの?」という想定外の質問に直面することにな…

「師を持っている」ということだけでいい

----- 内田 ・・・教師に必要なのは一つだけでいい。「師を持っている」ということだけでいい。その師は別に直接に教えを受けた人である必要はない。書物を通じて得た師とか、あるいは何年か前に死んだ人で、人づてに聞いてこんな立派な先生がいるというのを…

「ねえ、ここどうするの?」という問いを発することから、学び合いが出発する

----- 個人作業の協同化においては、わからない子どもが「ねえ、ここどうするの?」という問いを発することから、学び合いが出発する。この質問に応える子どもは、つまずいている子どものつまずきを理解し、つまずいている子どもがわかるように説明しなけれ…

子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。

----- 子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。これこそたしかに、あらゆるよい教育の根本原則だ。 (ルソー著、今野一雄訳 『エミール(…

集合体は、組織的な個人の人格性の抹殺の上に成り立ち、共同体は互いに向かい合うことによる人格性の高揚とその確認の上に成立する

----- 対立する世界にたいし望ましい制度の改革を求めて、共通の認識、共同体の意識なくして闘うところでは共同体の志向する精神は存在しない。共同体の志向する精神が成立するのは、現実をめぐって共同体自身の内部から生ずる闘いがなされるところである。…

私は何よりも先ず子供の信頼と愛著とを贏ち得ようとした

----- 一八 子供は自分の愛するものは何でも欲する。彼に名誉を齎すものは何でも欲する。彼の大きな期待を鼓舞するものは何でも欲する。彼に力を與へるもの、「僕にはそれが出来る」と子供に言はせるものは何でも欲する。 併しかうした意欲は言葉に依つて生…

全国大会で勝ったのは自分たちの仲間なんだ、というように学校全体に仲間意識が芽生える

----- 能代工の栄光は記録に残る選手だけで達成されたわけではないのです。周囲の人たちの力が合わさって勝っているのです。それは選手のご両親、下宿の方たち、クラスの仲間たちの協力です。 そのためにはきちんとした生徒指導が必要になります。近所の人に…

日常的に声かけを

----- たいていの人は、自分の存在意味を探してさまよいながら人生を送っています。その存在意味は自分だけで見出せません。大勢の人とともに生きる人間社会では、ほとんどの人が他者とのかかわりの中に自分の存在意味を見出しています。子どもにとって自ら…

「学ぶ」は「真似ぶ」

---- 君も知っているように「学ぶ」は「真似ぶ」からきている。ぼくの2歳の娘を見ているとわかるけど、人間にとって最初の学びは「まねできる」ことの喜びにつき動かされたものだ。言葉をふくめて、何もかも「丸ごと」まめしたあと、いらないものを捨ててい…

「尊厳」を支えてくれるのが他者の「承認」だ

----- 当然いろいろ失敗がある。「失敗しても大丈夫」と思えないと「試行錯誤」できない。「失敗しても大丈夫」が「尊厳」だったよね。「尊厳」を支えてくれるのが他者の「承認」だ。昔はそれ以外に、会社の大きさや学歴がアテになった。でもこれからの航海…

それこそわが生き甲斐なのだと悟って、ぐっと巨きな大樹に生長していったのは、この絶望の直後であった

----- 「重之助! 死んではならぬぞ。何のこれしきのことに!」 「は……はい」 「人は天地の心にそむかざれば栄うべしと、これも玉田先生のお言葉にあることだ。それを忘れて、このくらいのことで挫けては、父にすまぬ、母にすまぬ。重之助! われらの仕事は…

達成感とは、自分が努力したものについてうれしい評価を受けたり、満足したりすることで得ることができる

----- たとえば、床を金属にして電気ショックを流せる部屋を作ります。そしてこの部屋に犬を一匹入れ、出口をふさぎ電気ショックを与え続けるのです。当然、犬は逃げようともがき苦しむけれど、逃げ道はありません。これを何度も何度もくり返し行うのです。…

先生方、寝てください

----- 最後に、先生方、寝てください。教材研究が多少中途半端でもいい、生徒指導でいろんなことがあるとしても、明日は明日の風が吹きます。そして、翌朝には元気に学校へ来て、子どもたちに「おはよう!」と声をかけてください。これがどんなに大事か。家…