「自分の城」を築こうとする者は必ず破滅する
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自我というのは自尊心でもあり、エゴでもありますから、自分を主張したい、守りたい、あるいは否定されたくないという気持ちが強く起こります。しかし、他者のほうにも同じように自我があって、やはり、主張したい、守りたい、あるいは否定されたくないのです。そう考えると、手も足も出なくなってしまいます。
人によっては、「他者とのかかわりは表面的にしのぎ、本当の自分は隠しておく」といった方法が取れるかもしれません。しかし、それができずに完全籠城する人もいるでしょう。つっ走っていく自我を止められず、さりとて誰かに救いを求めることもできず、悲鳴を上げたくなっている人もいるのではないでしょうか。
こうした自我の問題は、百年前はいわゆる「知識人」特有の病とされたのですが、いまは誰にでも起こりうる万人の病と言っていいと思います。当時は「精神衰弱」と呼ばれ、漱石の小説中に「キーワード」のように出てきます。
漱石の「断簡(メモ)」の中にも、こんな言葉が見えてきます。
「Self-consciousness の結果は精神衰弱を生ず。精神衰弱は二十世紀の共有病なり」
漱石自身も何度も精神衰弱になり、さらに胃潰瘍を引き起こし、一時危篤に陥っています。ウェーバーも重篤な状態になって、精神病院に入院したことがあると言われています。
では、肥大していく自我を止めたいとき、どうしたらいいのでしょうか。そのことを考えるとき、私がいつも思い出すのは、精神病理学者で哲学者のカール・ヤスパースが言ったことです。ヤスパースはウェーバーに私淑していました。その彼がこう言ったのです。
「自分の城」を築こうとする者は必ず破滅する―――と。
これは私もそうだったのでよくわかるのですが、誰もが自分の城を頑強にして、塀も高くしていけば、自分というものが立てられると思うのではないでしょうか。守れると思ってしまうのではないでしょうか。あるいは強くなれるような気がするのではないでしょうか。しかし、それは誤解で、自分の城だけを作ろうとしても、自分は立てられないのです。
その理由を究極的に言えば、自我というものは他者との関係の中でしか成立しないからです。すなわち、人とのつながりの中でしか、「私」というものはありえないのです。
(姜尚中『悩む力』集英社新書)
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寝不足のせいからか、ちょい頭痛がしてました。
はい、してました。
今は、大丈夫です。
しかし、明日は朝から出掛ける予定なので、
今日は早めに寝ようと思います。
こんなブログで、すんませんw
では、また。
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