毒矢が刺さって苦しんでいる人に対して、その矢がどこから飛んできたのかとか質問するのではなく、毒矢の苦しみを取り除くのがいちばん大切

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河合 可能性はあると思うんですけれど、本当にわからないですね。しかしやっぱり、だんだんこう、接点をもってくるんじゃないかという感じがあって。
 そのとき、宗教と科学が接点をもつときに、僕はいちばん強力なのは仏教やないかと思うんです。
茂木 そうですか。それはどういうことですか。
河合 仏教は絶対者というのを立てないんです。ところが一神教は、絶対神というのがありますね。キリスト教うあイスラムがそうです。仏教はそんな神というのがないわけですよ。自他の認識から始まる。だから、仏教がいちばん可能性があるんじゃないかなと思って。
茂木 僕が仏教で好きな哲学というのは、問題について、答えを与えようとするのではなく、問題を共有しようとするところですね。
 つまり、死んだらどうなるとか、生きている苦しみをどうするとかについて、ふつうの宗教はすぐ答えを与えてしまう。けれど、仏教はある意味で、「生きてるってしんどいね」という問題からスタートするというようなところがありますね。
 それとちょっと関連するんですけれど、釈迦が、死んだ後はどうなるのかと問われたとき、釈迦の答えは「そういうことには答えないのだ」と。毒矢が刺さって苦しんでいる人に対して、その矢がどこから飛んできたのかとか質問するのではなく、毒矢の苦しみを取り除くのがいちばん大切なことだろう、という。
 答えをすぐ求めすぎる傾向って、現代の深刻な病のような気がしますね。言葉とか細部に引きずられる傾向というか。
 そういう意味では、先ほどの話に戻ると、われわれは「中心をはずさず」に人に接するということを忘れてしまっているともいえますね。ある人のことを判断するのでも、その人の言葉や振る舞いに引きずられて判断しちゃったりしますよね。
河合 ちょっとね、その判断がみんな早すぎるんですね。もっと悪いのは、僕はよくいうんだけれども、みんな一人ひとり違うのに、数字で順番をつけたがるんですよ。
「年収いくらですか」といったら、年収の高い人から低い人まで全部順番がつくでしょう。それは、一人ひとり分けているようで、なにも分けてないですね。お金で分けているだけなんだけれど、それでみんな錯覚を起こしている。
 そして、ちょっとでもみんなよりお金が多いほうに行こうとしたりする。そうして頑張っているようだけど、じつは個性を摩滅させるほうに頑張っているわけですよ。
 だから、そういう細部に飛びつかない、という姿勢がものすごく大事ですね。そうじゃなくて、その人を全体としてみる。全体として見ていると、本当に人間というのはおもしろい。人間は誰でも、何をやらかすかわからん可能性をもっている。こう思いますね、本当に。
茂木 河合先生の話をうかがっていて、ちょっと自分、奇妙な気分になってきて。つまり近代科学が前提としてきたのは、普遍性、あるいは世界中どこでも流通可能なものという価値観ですよね。でも、世界はもうある意味では絶望的なぐらい分裂しちゃって、お互いに行き交えないほど分かれている。しかし、だからこそ希望があるというか、だからおもしろいじゃないかという奇妙な気分になってきているんですよ。
河合 それは、いまいくらグローバリゼーションといっても、文化まで普遍的に一元化するわけじゃないでしょう。ほかが普遍化するだけで、文化はむしろ多様化するというのと、僕は見ているように思っているんですけれどね。
 だから文化でも、東京一極集中でなくて、各地域がそれぞれのおもしろさをもってやればよろしいというのと同じことなんじゃないかと思ってね。
茂木 いまのは文化庁長官としての発言でしょうか。(笑)
河合 はい。ちょっと商売根性が出てました。(笑)
茂木 たとえばこの会場のなかにも、本当にこの会場にいる人の数だけ、違った世界があるわけですからね。
河合 そうそう、本当にそうなのね。
茂木 それはわからなくてもいいというか、わからなくてしかたないんですね。
河合 ええ。


河合隼雄茂木健一郎『こころと脳の対話』「第3回 「魂」を救う対話」189-193頁、新潮文庫

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ついに、昨日、
iPhone4Sに変えました!

いや〜、便利になりましたね。

色んなアプリがあります。

本当に、人それぞれ、その人独自のiPhoneが出来上がるって感じです。

4年間、使ってきたケータイともあっさりとおさらばですw

どこかで、使う日があるかもしれませんけどね;

とりあえず、エクセルとワードがiPhoneでも編集できればオッケーです。
あと、カレンダー機能は重宝して使いたいです!

便利すぎて、使ってる本人が退化していかないように、気をつけていきたいと思います!

いじってると、時間がどんどん過ぎていきますから;

しっかりと、勉強を進めていきたいと思います。


昨日、社会人バスケのメンバーの皆さんと新年会に参加してきました。

バスケで始まり、バスケで終わる。

バスケで繋がっている縁を大切に、大切にしていきたいと思います。

現実、なかなかバスケの練習に行けてない状況ですが、

4月までのこの期間は、なるべく行くようにして、体力もつけていかなければなりません。

心身ともに鍛えなければ、ホント、笑えない状況です・・・;


久々にお酒の場で、仲間と語り合えました。

お酒の味は、まぁ、置いといてw

楽しい時間を共有できたことは嬉しいです。

色んな考え方の人がいますし、価値観も様々です。

価値観が違うからこそ、対話もおもしろくなるのでしょうね。

同じカテゴリの中の人と触発し合うのもイイですが、

また違った価値観の人と触発し合うのもイイ感じです!

また、違った考え方のなかにも、共通する点や共感することもありますから、新たな発見や再認識もできるのだと思います。

全体として、その“人”を見るわけですから、必ず共通点があるはずです。

であるならば、各個人それぞれの価値観で生きていても、本当の“幸せ”があるはずです。絶対的幸福というのが。

相対的ではないので、この人にとっては有効だけど、あの人に対しては無効だとか、
百年前は通用したけど、今の時代には通用しない、あるいは、今の時代はイイけど、百年後の世界ではダメになった。
という類の幸福ではなく、誰に対しても、いつの時代にも、幸福になる道があるはずです。

それも、また思索と行動の中で見出していきたいと思います。


ps,
今日、全日本バスケットボール選手権男子決勝戦が行われました。
5連覇を狙う王者アイシンと
勢いのあるトヨタの対戦でした。
トヨタには、三重県出身の若い選手がいました。伊藤大司選手。
中学3年生の時に、全国大会準優勝。
高校と大学は、アメリカの地でプレーしていました。
今日の試合でも大活躍で、僅差でトヨタが優勝しました。

実はボク、この伊藤選手と一緒にバスケをしたことがあるのです!(一瞬w)
というささやかな自慢で、今日のブログ終了w