一番勇敢な犠牲的行為の大部分は、人にも知られもせず、ほめられもしないものだよ
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「もしその犠牲的行為がほんとうのものならね。だが、一番勇敢な犠牲的行為の大部分は、人にも知られもせず、ほめられもしないものだよ。それだからといって、その行為の美しさを損ねはしないのだ。
(中略)
「恥ずかしいが、辛かったね。しかし或る賢い年寄りがね、―――正しいことをするのは必要である。幸福であることは必要でない―――と以前いったことがあるよ」
ローズはこの格言が気に入ったかのように考えこんでいたが、やがて澄んだ、明るい顔付きをしていった。
「ほんとの犠牲は、人がとても望んでいることか、楽しんでいる物をあきらめることなのね」
「そうだよ」
「それを自分が、ほかのもう一人の人を大変に愛し、あの人を幸福にしたいためにするのね」
「そうだよ」
「そしてそれを快くしてよろこび、人にほめられなくても気にかけないのね?」
「そうだよ、ローズ。それが自己犠牲のほんとうの精神だよ。お前にはそれがわかったらしい。これからそういう行いをする機会がたびたびあるだろうが、あまり辛いのが来ないよう願っているよ」
(オルコット、村岡花子訳『八人のいとこ』「九 フェーブの秘密」121-122頁、角川文庫)
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大会や行事などでは、必ず陰で支えてくれている人たちがいる。
裏方に徹する人ほど尊い人はいないでしょう。
その陰での努力は、人にも知られもせず、ほめられもしないかもしれませんが、大会、行事の成功には欠かせない存在です。
準備から運営、片づけまで、一切の無事故のために、自分の時間を割いて取り組んでいるわけですから、決して楽ではないでしょう。
しかし、それが正しく、人のため、世のためになるのであれば、苦と感じることなく、むしろそれが愉快と感じられる境涯になれるんだと思います。
「陰の戦いに徹する」人がいなければ、成功・無事故は勝ち取れません。
恩師は、陰で頑張っている人にこそ光を当てなければならない。と励ましの姿勢を指導しております。
また、そういう人こそが尊いと、全員に気づかせている。
教育実習で現場を体験した時も、先生方は、生徒の気づかないところで、数々の努力を重ねていました。
全ては、子ども達の幸福のため。
- 作者: ルイザ・メイ・オルコット,Louisa May Alcott,村岡花子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1960/09/10
- メディア: 文庫
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