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ばかは死ななければなおらない

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 つまり、われわれはここで、愚者と賢者の間に永遠に存在している相違そのものにつきあたるのである。賢者は、自分がつねに愚者になり果てる寸前であることを肝に銘じている。だからこそ、すぐそこまでやって来ている愚劣さから逃れようと努力を続けるのであり、そしてその努力にこそ英知があるのである。これに反して愚者は、自分を疑うということをしない。つまり自分はきわめて分別に富んだ人間だと考えているわけで、そこに、愚者が自らの愚かさの中に腰をすえ安住してしまい、うらやましいほど安閑としていられる理由がある。ちょうど、われわれがどうやっても、その棲んでいる穴からおびき出すことのできない昆虫のように、愚者にその愚かさの殻を脱がせ、彼を彼の盲目の世界からしばらく散歩につれ出し、彼が慣れきってしまっている鈍重な視覚をもっと鋭敏な物の見方と比較してみるよう強制する方法はまったくないのである。ばかは死ななければなおらないのであって、ばかには抜け道はないのだ。だからこそ、アナトール・フランスは、ばかはひねくれ者よりもずっといたましいものだといったのである。なぜならば、ひねくれ者は時には休息するが、愚者はけっして休むことがないからである。


(オルテガ・イ・ガセット、神吉敬三訳『大衆の反逆』「第一部 大衆の反逆(八 大衆はなぜすべてのことに干渉するのか、しかも彼らはなぜ暴力的にのみ干渉するのか)」98-99頁、ちくま学芸文庫

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Oさん、見てますか?!w

「ばかは死ななければなおらない」

なんとも冷酷な見方に思えますが、これも一哲学者の見解です。


先日、所謂マルチにハマってしまっている友人がいる、という悩みをもっている友人に、会いました。

何を言っても聞かない。

むしろ、言えば言うほど、そっちの世界へハマり込んでいる様子でした。

いっぺん、頭打って気づかせるしかない。という感じで、それこそ、「ばかは死ななければなおらない」とも言えますが、

しかし、友人であるならば、助けたいという気持ちもないことはない。

であるならば、向こうがこっちの話を聞こうが聞かまいが、言うべきことは言うように働きかけたいですね。

それでも、方向を修正しないのであれば、それはそっちの勝手。

言うべきことは言う。これが友人としての最低限の態度ではないかと。

「慈無くして詐り親しむは是れ彼が怨なり」


人生において、何を根本にするかによって、価値観も変わるし、その人の人生が左右されるのだということを改めて感じました。

ある人は、お金。
ある人は、仕事。
ある人は、恋人。
またある人は・・・

キリがない程さまざまありますが

どれも大事なのは当たり前。

“優先順位”を考えることが大切。

自分を客観的に見つめることも大切ですね。


それにしても、世の中にはいろんな人がいます。

ボクには考えられないようなことを平気でやってのける人とかわんさかといるでしょう。

それが、人間というものだと思うし、理解していくことがまず第一歩となるんでしょうね。


ps,
たかが漫画、されど漫画。
知らない人はいないと思いますが、『ONE PIECE』って知ってますか?w
もはや哲学。
この本にも考えさせられることは多々あります。

確かに、ばかが民衆の上に立つと、その国は滅びます。
ちなみに、民衆の上に立つというのは、権力者のことであり、今の日本は国民主権。一応。

で、そのばかは上に引用したように、「愚者は、自分を疑うということをしない」し、それこそ、「ばかは死ななければなおらない」です。
ONE PIECE』には、ワポルという救いようのない国王(?)がいますが、側近のドルトンが、我慢の限界に達し、
「この国の辿るべき道は見えた…滅ぶことだ」
とワポルに向かって語ります。
「我々が国民の上に立っている限り国を立て直すことなどできるものか!!
この国の医療がどこまで発達しようとも…!
いつまで薬の研究を続けようとも

バカにつける薬はないのだから!!!!

と言い放ちます。

その後、ドルトンは牢屋にぶち込まれますが、それを覚悟の上で言った言葉です。

しかし、次のチョッパーのセリフには注目です。
ヒルルクの言葉を純粋に信じ、自分の無力さを悔い、ドクトリーヌに師事し、医療の道を志すときの決意です。号泣しながら。

「医者を…教えてぐだざい…!!!
おれが“万能薬”になるんだ!!!
何でも治ぜる医者になるんだ!!!
…だって…!!
だっで
ごの世に治ぜない病気はないんだがら!!!!



大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

ONE PIECE 16 (ジャンプ・コミックス)

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