平氏を滅ぼすものは平氏であり、鎌倉を滅ぼすものは鎌倉だ
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童門 いまの世相というか、政治情勢に合わせるわけではないけれども、徳川家康がいった言葉がぼくがずっと頭に残しているのは、
「平氏を滅ぼすものは平氏であり、鎌倉を滅ぼすものは鎌倉だ」
といっているんですよ。つまり、敵は内部にある。滅ぼす要因というのは、決して外の敵ではない。内部の不統一とか足の引っ張り合いとか、ぼろぼろになっちゃったのをそのままにしていないでね。そのまま過ごしているのはダメだと。緊張して常にこういう気持ちを保てよということを、ぼく個人も自分でそう思っているんですよ。
杏 なるほど〜。
宮本 そういう意味なんですね。
童門 これは個人にも当てはまる。
宮本 たとえば慢心とか……。
童門 そう、変な欲望とか、私利私欲を追うとか。
(童門冬二『泣ける戦国ばなし』「対談 童門冬二 × 杏」192-193頁、WAVE出版)
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大きな社会・組織になればなるほど、外からは崩されない、外に敵なしという感じになるけど、怖いのは、内部からの崩壊。
外に訴えていくことも必要だし、大切なことだけれども、外にばかり目がいってしまい、肝心な内部のもろさが益々進んでいくという状況になりかねない。
確固たる強い社会・組織を築き上げようと思ったら、まず内部に目を向けるべきであると。
何事も“基礎部分”が大事だということですわな。
基礎部分がしっかりしてないと立派なビルも建ちません。
個人における“内部”に対しても同じような目を向けておかなきゃいけませんね。
さすが、童門さんです。
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「我々は…海底深い無法の溝に蓄積し続けた
いびつな“怨念”に見て見ぬフリをし!!
表面ばかりを整えて
前進した気になっていた!!
手遅れだったんだ
こいつらこそが!!
母上が最も恐れていた存在!!!
我らはまず……内側と戦うべきだった!!
母は魚人島の“怨念”に取り殺されたのだ!!!
あの人はそれに気づいていたのかも知れない……!!!
しかし私は心のどこかでまんまと人間を恨んでいた
死者の無念は死者のもの
“怨念”は生きる者が勝手に生み出し増幅させる幻!!!
わずかに人間を恨んだせいで
見落としていた「魚人街」の怨念は…!!!
気づけば我らでは手に負えぬ程
強大な力になっていた!!!
ここままじゃあ!!
魚人島は“人間を恨む心”で我が身を滅ぼす!!!
麦わら……頼む!!!
過去などいらない!!!
ゼロにしてくれ!!!」
(尾田栄一郎『ONE PIECE 巻六十五』「第644話 “ゼロに”」158-160頁、集英社)
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前々から内部からの崩壊に気を付けるようにという意識はないこともなかったので、
『ONE PIECE』65巻を読んだときは、ハッとしました。
外にばかり目を向けていて、前進している気になっていないか、自身を振り返ってみることを心がけたいです。
自身の、また組織での内部を充実させること、それを怠った時、手遅れになる可能性もあるということ。
チームワークが出来上がってないと、いくら優秀な人材がいても、勝ち上がっていけないのです。
尾田さん天才です。
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