倦怠というシロモノ

        • -

 戦争への入り口になる日常とはどんなものか。知らずしてそこを通過すると戦禍のただ中にいるような。考えるだけでも怖ろしいし、第一そんなものあるわけないだろう、あれば当然そんなところに踏み込まないよ、ですか?
 普通の世間で見渡した時、そのまま進むと危なっかしいなと感じさせる代表格は、季節になると街にぞろぞろ現れるリクルート・スーツの学生群。彼ら彼女らにすれば、「なんとかしなくちゃ」「何をすればいいのかわからないけど、他人がしていることをやっておこう、とりあえず」とスーツを買うのだろう。就職戦線苛烈であれば、焦燥不安はかなりのものになる。就職できなきゃ大変だ、どうしよう、何か具体的な行動はないかなあ……。
 これと、「時代閉塞の原状を打破するべく吾人は何をなすべきか」と煩悶していた昭和10年代のわが国の知識人は多少似ていなくもない。これは「何か面白いことがないかなあ」という気分とも似通っているかもしれない。倦怠というシロモノである。


(計見一雄 『戦争する脳 破局への病理』「終章 日常と戦争」223-224頁、平凡社新書、2007年)

        • -


8月6日、全校登校日となっています。

登校日がある学校って珍しくない?
んなことないか;

まぁ、登校日ということで、元気な子どもたちと会えるのを楽しみにしています。

登校日には、平和学習を行います。

教材は『ピカドン PICADON』木下蓮三、木下小夜子

タイトルは聞いたことがありましたが、しっかりと見たのは今日が初めてだったと思います。

衝撃でした。
おそろしい気持ちと悲しい気持ちと、怒りが込み上げてきました。

戦争ほど悲惨なものはない。
平和ほど尊いものはない。

戦争を経験していない自分としては、この本で戦争の怖ろしさを感じることができますし、二度と戦争を起こしてはならないと改めて感じることができます。

子ども達はどんな反応をするのだろう・・・。

そして、戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えたい、感じてほしい。

子ども達もマンガなどで戦争の怖ろしさは多少感じているでしょうし、戦争は昔のことで、今の自分たちにはもう関係ないと思っているかもしれません。

しかし、形態はどうであれ、戦争という怖ろしい地獄の世界は、いつでもどこでも次の瞬間に足を踏み入れてしまう可能性もあるということを知ってほしい。

核兵器で保たれている“平和な世界”は恐ろしく不安定ですし、本当の平和な世界ではないと!
力が支配している世界に変わりはないです。
ハードパワーよりも対話を重点に置いたソフトパワーによる平和な世界を築いていきたいものです。
自分一人に何ができるのって話ですが、まずは、一人から。ということですね。

政治や経済が不安定な世の中ですし、諸外国との関係も未だにギスギスしたものがあります。

後世に伝えていかなければ、知らず知らずのうちに戦争へと向かっていく可能性もなきにしもあらず。
時代やお偉いさん方の言いなりになってしまっては危険です。ホント。
抵抗力も必要。


ボクらの年代ももちろん戦争を経験していないですが、現在もどこかの国では戦争が続いている。この世界に生きる人間として、また、唯一の被爆国の国民として、また世界平和を目指す地球人として、伝えることは伝えていかなければならない。

恩師はこう言っていたと思います。
「君たちには、現在と未来がある。第2次世界大戦の悪夢の責任はない。しかし、未来には責任がある。」と。

小学生でもこちらが真剣に訴えれば、必ず心に響くと信じて。相担の先生も仰っていました。

必ず伝わると。


問題山積みの現代社会ですが、それらを解決し、よりよい社会をつくっていくのは、ボクたちであり、今を生きる子ども達です。


戦争する脳―破局への病理 (平凡社新書)

戦争する脳―破局への病理 (平凡社新書)

ピカドン PICADON

ピカドン PICADON


無視するな この事実
同い年の ジャパニーズ