ヴィジョンがなければ、どんなに時間とエネルギーと人と資源を投入しようとも、それらは無駄になってしまう
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学校改革について教師に語ると、「時間がない」「人がいない」「資源がない」という答えが必ず返ってくる。改革においてもっとも足りないのはヴィジョンなのだが、それを指摘する教師は稀である。ヴィジョンがなければ、どんなに時間とエネルギーと人と資源を投入しようとも、それらは無駄になってしまう。あらゆる改革において“vision is the first priority”なのである。
「学びの共同体」は、学校改革のヴィジョンであり哲学である。そもそも、なぜ学校を改革するのだろうか。学校が果たすべき中心的な責任は「特色ある学校」をつくることだろうか。学校改革の中心的目的は「学力の向上」だろうか。「国際競争に打ち勝つ人材の育成」だろうか。「優れた授業の創造」だろうか。そうではないだろう。
学校の公共的な使命と責任は「一人残らず子どもの学ぶ権利を保障し、その学びの質を高めること」にあり、学びの〈質と平等の同時追求〉によって「民主主義社会を準備すること」にある。教師の使命と責任も同様である。
(佐藤学 『学校を改革する 学びの共同体の構想と実践』「2 学びの共同体のヴィジョンと哲学」15頁、岩波ブックレット、2012年)
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9月に入りましたね。
夏休み中の子どもたちは、本当に様々な体験をしてきたようです。自由研究や作文を拝見すると、一生懸命頑張っていた様子や家族や親戚と楽しい思い出を作っていた様子がよく分かります。
中でも、学習に意欲的でない子が夏休みの宿題を取り組む中で、最初は嫌々取り組んでいましたが、お母さんと一緒に間違っていたところを直したりして、最後までやり切った時、「なんとなく少しですが勉強に自信を持つことができた。」「9月からのめあてには、自分で考えて『勉強をスゴクがんばる。』と書いた」と作文に書いてきました。
この1週間、その子の様子を見ていても、授業中は以前より積極的になっていますし、よく考えているように見えます。
一生懸命考えて、自分の言葉で説明しようとしている姿、友だちの発言を聴いて「なるほど!」と気づく姿、少しでも子どもたちがつながりあって学び合っているのなら、嬉しい限りです。
この勉強への意欲を継続することが難しいと思いますが、日々の授業を通して、学習意欲を損なわないように気をつけながら進めていきたいと思います。
より一層、教材研究や授業の振り返りが大切になってきます。
が、子ども主体で授業づくりをしていきたいですね。研究授業、公開授業のための教材研究や協議会になっては危険。本末転倒。
夏季休業中の研修や学ぶ会、校内研修で学んだ“学び合う学び”の教室文化を少しでも構築していけるように、実践していきたいと思います。
ps,
何事にしても、何かを為すにしても、やっぱり“ヴィジョン”は大切ですね。
的がなければ弓を放つこともできません。
目的地がなければボートを漕ぐこともできません。
政治にしても、しっかりとした“ビジョン”を示している人に任せてみたいところです。
民主も自民もダメという風潮になっているようですし、なんとか維新の会やらなんの実績・経験のない会に任せてもいいの会?w
茶の間を賑わす“劇団員”じゃなくて、本当に力のある“政治家”に政治を任せたい。
学校を改革する――学びの共同体の構想と実践 (岩波ブックレット)
- 作者: 佐藤学
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/07/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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