子どもが学び合うとどんなことが起きるのか、耳を澄まして、気持ちを傾けてとらえるべき

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 30人をこえる子どもが在籍する学級なら、グループは八つ以上つくられることになります。そして、それだけのグループが同時に話し合うことになるのですから、一つひとつのグループで何が学び合われたか、一人の教師でとらえ切れるはずがありません。しかも、そこで出たことはその後の全体学習で発表させるようにするのが通例ですから、とらえにくいグループはそこそこの対応をしてそれまで待ち、その全体学習で出された考えの組み立て方に心を砕くほうが教師にとっては好都合だったのです。だから、教師の意識がグループに向かわなかったのです。
 しかし、グループ学習で起きていることと、後の全体学習で発表されることは往々にして同じにはならないのです。同じようなことが発表されたとしても、グループ内で交わされていることはリアリティがあり濃密で豊かです。その機微を全体学習の発言で表すことは難しいのです。そのうえ、とても重要な気づきが語られないこともあります。全体学習での発言に頼る教師はそのことがわかっていません。
 「学び合う学び」をめざす教師たちは、グループにおける学びの事実をもっと知るべきです。子どもが学び合うとどんなことが起きるのか、耳を澄まして、気持ちを傾けてとらえるべきです。そうでないと、グループの学びの素晴らしさを感じることはできません。それが感じられなかったら、いつまでも全体学習での教師のかかわりばかりにこだわってしまいます。それでは、「学び合う学び」は深まりません。


(石井順治 『「学び合う学び」が深まるとき』「グループによる協同的な学びが「学び合う学び」を深める」46-47頁、世織書房、2012年)

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先日、中学校の研究発表会が行われ、公開授業を参観しに行きました。

小学校と中学校では、子どもの様子も違いますし、そもそも学校の教育方針が違うので、当然授業の形態も様々です。

ボクが参観したのは、国語、数学、体育。

国語は、導入の10分ほど。
生徒たちは静か。お客さんがたくさんいたからかな。
「走れメロス」を題材にして新聞を作るという学習活動。
新聞づくりのポイントを先生が説明。板書しながら説明していきましたが、生徒たちがそれを聞き、ノートに写す。
なんとなく、生徒が受け身になっているように見えましたが・・・。
すでに理解していることの振り返りの際も、自分の言葉で説明できるようにすることが大切かと。
「分かった」と思っていても、自分で説明できて、はじめて「分かった」といえる。説明できなければ、それは「分かった」ことにはなりませんよね。

数学は、比例。
具体物を用いて、魅力ある課題提示をされていました。
課題を考える際は、グループで考え合っていました。その際、各グループでホワイトボードを用いて書いては消し、グループで考え合っていました。ホワイトボードの使用は印象的でした。
しかし、グループの人数が気になりました。5人グループでしたが、やはり2人ほど話し合いに参加できていない様子でした。ホワイトボードも1つだったので、机が5つ合わせてあるので、距離もあって、ただ座っているだけの子もいました。3人ほどで話し合いが進み、残った子の学びは深まっているのだろうかと思いました。
グループでの学びはとてもいいと思いますが、グループは4人か3人にするべきだと改めて感じました。

体育は、マット運動。
途中からの参観でした。練習を繰り返している中で、カメラを用いて、自分の動きを撮影し、それを確認しながら練習していました。
また、グループで支え合って練習している姿も見られました。
指導案には、まとめで良かったところや課題を話し合う活動が書かれていましたが、それがなかったです。時間的になかったのか、それとも先生が話しをするのが、それだったのか、よく分かりませんでしたが、ここでも生徒自身から語り、聴き合う活動があってもよかったのではないかと思いました。


人の授業を参観した時はいろいろ思うこともありますが、やはり授業は難しいものです。じゃ、自分ができるかっていうとそうでもない。
まだまだ力不足の自分が、事後の見学シートに「よかったところ」「わるかったところ」を書く欄がありましたが、わるかったところって書きにくいですね;

学び合い、聴き合いの授業というのは、徐々に注目されているのか、どうか分かりませんが・・・w
子どもたち一人ひとりの学びを保障し、安心して学ぶことのできる教室づくりは、少人数のグループ学習による学び合い、聴き合いでしかできないのかなと思います。

グループ学習を取り入れている学級も多いと思いますが、気をつけたいのは、“教え合い”になっていないか。
中学校の公開授業後の全体会でその学校の教育方針の説明がありましたが、その中で「教え合い」という言葉が出てきました。
その瞬間、隣に座っていた相担の先生がピクッと反応していましたw
“教え合い”ではなく“学び合い”だと。
“教え合い”では、相互の学びが深まらない。
ボク自身も気をつけたいところです。

他の先生の授業を参観し、何かと学ぶことがありますし、それと同時に自分自身もまた頑張ろうと思えるようになります。


先週には、本校3年生の先生の公開授業でした。
事後協議会では、公開した先生のクラスだけでなく、自分のクラスにも通じる課題が話題になり、実践につながる大切なポイントを学べました。

11月には石井先生が来校しての公開研究授業が行われます。

学年部のボクの公開授業は12月に行おうと計画しております。

日々の実践を通して、授業力を磨くとともに、学び合う雰囲気の学級づくりに励んでいきたいと思います。


「学び合う学び」が深まるとき

「学び合う学び」が深まるとき