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われわれをさまざまな誤謬から連れもどす真理は、医薬のようなものである

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 ある問題についてすでに自分で確定的な判断をもっている場合には、おなじテーマに関する新しい見解に接するたびごとに、排斥的否定的な態度にでるものであるが、これはごく自然なことである。なぜかというと、そういう新しい見解は、一応まとまっているわれわれの確信の体系の中へ敵対的に侵入してきて、この体系によって得られた落ちつきをかき乱し、新しい努力を重ねることをわれわれに強要し、もとの見解はもう諦めなければならないと断言するものだからである。こういうわけで、われわれをさまざまな誤謬から連れもどす真理は、医薬のようなものである。それは、苦くていやな味がするし、また服用の瞬間に効くものではなくて、いくらか経ったあとではじめて効能を発揮するものだからである。

 このように、個人でさえ自分の誤謬を頑固に固執するものであってみれば、多数人の集団においては、なおさらのことである。彼らが一旦自分たちの意見を決めてしまうと、経験や教訓が幾世紀もかかってそれに手を加えようとしても、無駄である。してみれば、一般の好評と堅い信用を博しているある種の誤謬があって、無数の人々がそれに満足して日毎にそれを受け売りしているのも、うなずけることである。

 

ショーペンハウエル 『知性について 他四篇』「知性について」細谷貞雄訳、105-106頁、岩波文庫

 

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答えのないような問題がありふれている世の中ですが、だからって、そんなのテキトーでいいじゃん! というのもこれまた大きな落し穴があるようです。

考えること、学んでいくことの“連続”が、人間として生きていくための人生であると思いますし、そんな人生をボクは生きていきたい。
 
 
知性について 他四篇 (岩波文庫)

知性について 他四篇 (岩波文庫)