みなが同じ地球上に生きる「地球市民」だという意識

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 アメリカ合衆国で発生したリーマン・ショックは世界を駆け巡って各国の経済に多大な影響を与え、その結果がまたアメリカの政治や経済をゆるがしている。インターネットに国境はなく、テロリストと呼ばれる集団も、国単位で活動しているのではない。つい最近も私たちはインターネットを活用したチュニジアの政変が、そのインターネットを通じて他の国々の政治や社会の地殻変動に直結する有様を目の当りにした。福島原発の深刻な事故がドイツの選挙結果に大きな影響を与えた。地球温暖化現象はどこかの国や人々の行為だけで生じているわけではない。世界中の人々の行動の総和が環境問題となって私たち自身のもとにはね返ってきているのだ。
 これらの例を思い浮かべれば、現代世界が一体の構造を持って動いている事は明白である。世界各地で生じている数多くの難問を解決するためには当然、限られた国や人々が、国や集団単位でこれらに取り組むだけでは十分ではない。世界の人々が自分たちは同じ社会に属しているということを意識し、世界全体を視野におさめて手を取り合って行動することがぜひとも必要である人々が属する基盤である「地球社会」が明確に意識されるようになれば、環境や資源をめぐる問題、世界同時不況、原子力発電の対応などが国ごとにバラバラで、問題の根本的解決が先送りされている現状は大きく改善されるに違いない。
 しかし、実際には、人々が地球社会を意識して発言し行動することはそれほど多くはない。世界全体で、経済が相当程度一体化し、文化にも共通点が多く見られるのに、人々は依然として国民国家、あるいは主権国家などの限定された人間集団や共同体に強い帰属意識を持ち、その利害を第一に考えてしまうことがその主たる原因である。みなが同じ地球上に生きる「地球市民」だという意識が弱いのだ。
 そこに、新たに世界史を構想する積極的な意味がある。この世界史は、地球市民が共有するべき世界史である。まだ漠然としている地球市民という帰属意識を私たちの身近なものとし、ただひとつの地球の上で生きる人々が共同で難問に立ち向かうための知識の基盤を形成すべきものである。これまでの世界史は、日本人の世界史、イギリス人の世界史、タイ人の世界史などなど、国民ごとの世界史だった。現代では、それらはもはや不十分である。現代にふさわしい地球社会の世界史を作り出さねばならない。それによって生まれる歴史の力を使えば、未来の展望が大きく開けるに違いない。

(羽田正 『新しい世界史へ―地球市民のための構想』「序章 歴史の力」9-10頁、岩波新書、2011年)

 

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寒いですねー。

昨日の晩から雪がちらついてました。今朝は車に雪が積もっていました。

さて、3連休です。あっという間に終わる3連休ですw

来年度に向けて、通信教育入学のための準備です。いろいろ書類があってめんどくさい・・・;

学力に関する証明書が届き、今日は健康診断に行ってきました。

身長、体重、尿、血圧、視力、聴力、レントゲンも撮って、異常なし!健康体!心臓は1年前に比べて小さくなったみたいです。お医者さんには「小さい方がいいんですよ」って言われました。

 

書類を準備するなかで、「私の目指す教員像」という400字程度で記入する書類があります。

これは、5年前の通教入学時にも書きました。そのデータが残っているので、5年前に書いたものを参考にしながら新たに書き直しました。5年前は、まだ現場経験がなかったので、ほとんど理想像ですねw でも、その理想を求めることは大切で、その教員像を目指して日々努力していなかければいけません。5年前の自分に「これを忘れるんじゃないぞ」って励まされた気もします・・・。 現場を知らなかった過去の自分にも「現実はそんな甘くないぞ」って言いたくもなりますが、きっと言われた過去の自分も「そんなの覚悟の上だ」と言い返したことでしょう。過去の自分と少し対話してみた気分ですw

今思えば、通信教育時代の4年間のあの時の自分は、結構がんばっていたんだなと、我ながらに思ったり・・・。それはつまり、世間知らずで自分の力も知らない若僧の意気込みだったのかと。

その一方で、今の自分はどうだ。と考えてみるわけです。ひとつ分かったことは、「自分にはまだまだ力がない!」ということ。それはもう十分過ぎるほど痛感しております・・・; また、世間知らずな若僧に変わりはない。

5年前の自分より、さらに強い決意で、仕事、勉学に励んでいけるはずです。それは、過去の自分には知らなかった「自分の力の無さ」を今は知っているから。

 

もう一度、通信教育で教員免許取得と同時に、自身の人格練磨に励んでいこう。書類を準備しながら、そう思う今日この頃。

・・・その前に、目の前にいる子どもたちと真剣に向き合っていくべきだ・・・。

あと1ヶ月半。

 

 

ps,

中・高の免許は、社会、地理歴史の免許取得を考えています。

社会というと採用試験では超狭き門ですが、小学校で採用後、中学校へ。という道もあります。とにかく、取得をまずは目指して頑張っていくわけですが、地理歴史を専門に学んでいかなければいけません。

読書の方向性もある程度きまってくるわけです・・・。

上の本は、著者が試行錯誤してきた思索の中の中間報告。現在の世界史の認識に疑問をもち、新たに世界史を構想していくべきだという立場の本です。世界史をどう考えていくのか、それはまぁ、後々考えていくとして・・・。

読んでいて「地球市民」というワードにピンときました。

日本に住んでいる私たちですが、着ている服、食べている肉や魚・・・等々、日常生活でお世話になってるもののほとんどは、外国のもの。日本の文化も外国からの影響が多々ありますし。ましてや現代は(上にも引用しましたが)インターネットが普及し、世界とのつながりもより密になってきた時代。

外国でのさまざまな出来事は、他人事ではなく、自分の問題として考えたほうがいいでしょうね。特に環境問題なんかは・・・。

それにしても、外国で起こっていることを「いちいち考えていられねーよ!」と思うわけですが、まずは、自分のこととして考えられるかどうか、「考えること」自体に価値を見出したい。まずは。

「相手の気持ちを考えること」

子どもにも教えることです。一見、自分とは関係ないことでも、知ったこっちゃないことでも、他者と生きていく人間ですから、相手の立場になって考えることは当然必要なスキルでしょう。

自分もまだまだ訓練が必要だな・・・;

 

なんだか、話がそれてきましたので、この辺で・・・。

 

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新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)

新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)