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バナナの謎はまだ謎なのだ

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「ハガキノキ」とよばれる植物があります。この植物の葉っぱは、長いものなら長さ約二〇センチメートル、幅七~八センチメートルでかなり大きいのですが、何の変哲もありません。ところが、この葉っぱを一枚切り取って、その裏面に、釘か細い針金、あるいは、インクのなくなったボールペンなど先端が少しとがったもので文字を書くと、はじめはうっすらとだけ文字が見えます。

 しかし、数分も経たないうちに、文字の黒みが増し、くっきりとした黒い文字が浮びあがってきます。この葉っぱの裏面は薄い緑色なので、針金などで傷がついた部分が黒くなれば、文字がよく目立ちます。時間が経つとともに、文字の鮮明度はますます増してきて、はっきりと読むことができます。簡単な絵を描けば、絵も鮮明に浮びあがります。

 郵便の「はがき」は、「葉書き」という漢字が当てられます。昔、葉っぱに文字を書いたのが、「葉書き」の語源であるといわれます。この植物の葉っぱには、文字がはっきり浮びあがるので、この植物が「ハガキノキ」とよばれるのにふさわしいでしょう。

 

 

(田中修 『植物はすごい』「第三章 病気になりたくない!」77-78頁、中公新書、2012年)

 

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秋の夜長と呼ばれるように、段々と日が短くなってきましたね。

読書の秋です。

大学時代、理科の講義で、植物の不思議な、そして巧みな仕組みの数々に魅了させられましたが、先日、本屋さんで興味深い本を見つけました。それが上の本です。

ソフトバンク新書の『植物は動けないけど強い』という本もありましたが、こちらを先に手に取ってみました。

普段、古本で購入しているので、新品の出費は痛い・・・。

 

植物は動けないし、喋ることもできない。環境が悪いからといって、移動できない。動物と比べて、受け身なイメージですが、そんなことはない。

移動できないからこそ、そこで独自の進化を遂げ、独特な技法で獲物を捕らえたり、仲間を増やしたり、害虫や病原菌から身を守る術を身につけてきました。また、虫や鳥などの動物を利用し、未知の場所へ種を運び、生息地を広げていきます。そういう意味では“移動”しているのかもしれませんが。

 

本書では、野菜などのボクたちが普段接している植物や、その辺りに生えている身近な植物などを例に、不思議な植物の“すごい”力を紹介しています。

子どもも興味・関心がありそうな題材ですし、理科の授業はもちろん、子どもの探究心、好奇心を喚起させる材料にもなるのではないかと思います。

上の葉書きの例や、カタバミという植物に含まれる酸(シュウ酸)によって、古い十円玉がピカピカになったり。実際に試せるような内容も本書で紹介されています。

まだまだ謎に包まれている植物の“すごい”力があるそうです。人間には計り知れない生命力があっても、それは不思議ではありません。

 

 

「バナナの謎はまだ謎なのだ」(早口でどうぞ)

 

 

植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書)

植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書)