何のために大衆運動を展開するのか

f:id:mind1118:20131206132055j:plain

 

-----

 

  実現する可能性のないプロレタリア革命を目指し続けた新左翼運動は、何かが壊れ始めていた。何のために大衆運動を展開するのか、騒乱状況を作りだそうとするのか。六〇年安保闘争当時、ブントは騒乱状態が革命への着火点となることを漠然と期待していた。六〇年安保以降、ブントの流れを汲む武闘的な新左翼諸党派にとって、六〇年安保を超える騒乱状態を創り出すことが一つの目標となったが、やがて騒乱を起こすことが自己目的化し、騒乱のためには人死にも止むを得ないという雰囲気が生まれ、やがて殺人そのものが目的となった。

 

 

(伴野準一 『全学連全共闘』「第一〇章 敗れざる者たちの詩」217頁、平凡社新書、2010年)

 

-----

 

 

 

全学連と全共闘 (平凡社新書)

全学連と全共闘 (平凡社新書)