一度きりの人生を、どう生きるか考えてみろ

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「いいか、この100年カレンダーをよく見てみろ。この中に、君たちの命日が必ずある。私のは、カレンダーの上の方だろう。君たちは、中ほどだ。でも、必ずこの中にある」

 いきなり命日の話をされて、新人社員たちも面喰います。若い時には死をさほど意識しません。だから、時間はタップリあると思っています。しかし、100年カレンダーを見せることで、人生は限りあるものだということを肌で感じとらせるわけです。

「ここに君たちの命日を入れてみよ。それまでの一度きりの人生を、どう生きるか考えてみろ」「ハワイ旅行に行く時のことを、想像してごらん。一週間しか居られないとなったら、一分一秒を惜しんで、夢中でいろいろなことをやろうとするだろう。ホテルの部屋で、一日中のんべんだらりと過ごすヤツはいないはずだ」

 人生も同じだと思います。いくら若くても、残された時間には限りがあります。だから、生きているうちに、頭を使って、体を使って、やれるだけのことをやらなければ損でしょう。そして、自分が幸せになりたいと思ったら、人に喜んでもらうようなことをしなさい、と話します。前に述べた「利他」の心を持つということです。

 

(塚越寛 『リストラなしの「年輪経営」』「第四章 経営者は教育者でなければならない」162-163頁、光文社、)

 

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尊敬する先輩と読書の話をしている時に紹介されたのが、塚越さんの経営論。この人は、先輩に紹介されるまで知りませんでした;

ハウツー本は多くありますが、そんなのを読んで成功していたら、みんな成功するっちゅーねん!ということで、あまり進んで読もうとは思わないのですが、塚越さんが言われていることは、当たり前のこと。

松下幸之助さんのように、偉大過ぎてよく分からないということでもなく、(松下さんは確かに偉大な人物です)ボクたちにも分かりやすく実践できることをしているだけ。ただ、その大切なことを続けられるかが問題です。

この本で紹介されている経営論は、色んなところで活かされるものだと思います。組織論、教育論、人生論にも通じるものです。

 

急成長した木は、年輪の間隔が広く、倒れてしまう。

ゆっくり成長した木は、年輪の間隔が狭く、倒れない。強い。

ゆっくりでも確かな足取りで、一時のブームには流されずに成長を続けるということ。昨日より今日。今日より明日。1mmでも前進することが重要であるということ。

この成長が社員の幸せにつながると述べています。

 

他にも示唆に富む内容ばかりですが、100年カレンダーの話はグッときました。

「死」を考えることは、「生」を考えること。

「死」を意識することで、よりよい「生」、つまり「どのように生きていくのか」という人生の目的意識を持つことができますね。

「死」や「どう生きるか」ということは大きな問題で、深い部分まで突っ込んでいく話になってしまうので、今日はこの辺まで・・・。

 

やはり、一流は一流。通じるものがありますね。

 

 

 

リストラなしの「年輪経営」

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