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教師はいつも「受難」を生きることを宿命づけられている

 

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  危機と混乱と混迷が渦巻く転換期において、教師が教師として生きる基礎となるものは何なのだろうか。私は多くの学校訪問し、教師たちと学校を内側から改革する実践を推進しながら、この転換期において教師に求められる第一の事柄は、日々の授業実践を丁寧に粛々と推進することにあることを確信してきた。

  つまり、あれこれの学校の外側の動きや誘惑に惑わされることなく、そしてメディアが書き立てる数々の情報に翻弄されることなく、さらには行政が押し付ける多すぎる課題に振り回されることなく、一人ひとりの子どもの学びの創造に心を砕き、一つひとつの教材の発展性を探求し、一人ひとりの同僚と学び合う機会を豊かにして、日々の授業実践の創造に粛々と取り組むことこそが何よりも肝要だと思う。

  教師の仕事は決して派手な仕事ではない。それは「小さな事柄」の集積のような仕事である。それに対して学校外の教育改革の談議はいつも「大きな事柄」を素人ならではの乱暴な語りで議論し、それを人々はマスメディアによって消費し続けている。そこでは教師たちが日々教室で心を砕いている「小さな事柄」はまるで無価値のようである。

  しかし、そういう時代であればこそ、この転換期を教師として生き抜くためには、そして、この転換期においてより確かな教育の未来を準備するためには、教室に生起する「小さな事柄」を何よりも大切にし、一人ひとりの子どもの学びの現実に心を砕き、日々の授業実践の創造に粛々と取り組まなければならない。その粛々とした実践こそが、教師自身の専門家としての成長を促し、同僚生の構築を促進し、この転換期にふさわしい学校改革を内側から推進して、より確かな教育の未来を開拓するものとなる。

  繰り返し強調するが、転換期において最も避けるべきことは、伝統を見失うことであり、創意ある挑戦を放棄することであり、知ったかぶりの人々が撒き散らす騒ぎや混乱に翻弄されることである。

  とはいえ、これからの時代を生きる教師は、これまで以上に「受難の時代」を生きることを覚悟しなければならないだろう。決して悲観的な意味で「受難の時代」と言っているのではない。教育は現実を引き受けることから出発する。子どもの現実、学校の現実、地域の現実、社会の現実をまるごと引き受けることなしに、教師のまっとうな仕事が成立しようがない。その意味で、教師はいつも「受難」を生きることを宿命づけられている。これほどの転換期であれば、なおさらである。

  しかし、この「受難」は決して教師の不幸を意味するのではない。転換期の「受難」は、教師の仕事をいっそう複雑で困難なものにするだろうが、もう一方で、教師の実践をいっそう知性的で創造的なもの変革することを要請している。21世紀を生きる教師は、自らの日々の実践を知性的創造的に高めることによって、その使命と責任をまっとうし、「学びの専門家」としての自らの成長を達成するのである。

 

佐藤学『教師花伝書 ー専門家として成長するためにー』「第三部 教師として生きる」203-205頁、小学館

 

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7月29日、30日。

滋賀県で開催された「授業づくり・学校づくりセミナー」に参加してきました。

佐藤学先生が提唱する「学びの共同体」に取り組む学校の授業報告や、秋田喜代美先生の講演、石井順治先生、佐藤雅彰先生、小畑公志郎先生による「授業の振り返りが生み出すもの」についてのディスカッション、そして佐藤学先生の講演など。

たくさんの示唆に富む話を聴くことができました。とても内容の濃い2日間でした。ここでは詳しい内容については書きませんが、「学び合う学び」の授業はこのようにしていくのですよ、という方法論ではなく、いかにして子どもたちの学びを保証し、深めていけるのか、という子どもの学びの事実から教師としての居方、振る舞いというものを考えていきました。

たしかに、「この場面ではこうした方がいい」という御指摘もありますが、それは、子どもたちの学びの質を高めていくためです。なので、授業の後の振り返りが大切になるのです。当然、授業前の準備、教材研究を疎かにしてはいけません。

 

今回のセミナーで学んだことを整理し、自分の実践につなげていきたいと思います。

一緒に参加した同僚と、また周りの先生方と学び合いながら。

 

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教師花伝書

教師花伝書