「自分にできないこと」を「自分に代わって引き受けてくれる仲間」に対しては深い敬意が示され、出来る限りの支援を行うことが必須

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重ねて申し上げますけれど、競争を強化しても学力は上がりません。少なくとも、今の日本のように閉じられた状況、限られたメンバーの間での「ラット・レース」で優劣を決めている限り、学力は上がりません。下がり続けます。

学力を上げるためには、自分たちのいる場所とは違う場所、「外」とのかかわりが必須です。『荒野の七人』では山賊が、『大脱走』ではドイツ軍の看守が、主人公たちの活動を阻んでいます。だからこそ「自分にできないこと」の検出に真剣になるのです。その欠陥を埋めておかないと、「外」を相手にしたプロジェクト(山賊退治、捕虜収容所からの脱走)は成功しないからです。ですから、当然、「自分にできないこと」を「自分に代わって引き受けてくれる仲間」に対しては深い敬意が示され、出来る限りの支援を行うことが必須になります。

本来、子供たちに最初に教えるべきなのは、「このこと」のはずです。どうやって助け合うか、どうやって支援し合うか、どうやって一人では決して達成できないような大きな仕事を共同的に成し遂げるか。そのために必要な人間的能力を育てることに教育資源はまず集中されるべきでしょう。

しかし、今の日本ではそうなっていない。

むしろ、どうやって仲間の足を引っ張るか、どうやって仲間の邪魔をするか、どうやって一人だけ他人を出し抜いて「いい思い」をするか、そういう「えげつない」作法を子供の頃から教え込まれている。「競争に勝て」というのは要するにそういうことだからです。親や教師があからさまにそういう言葉づかいをしなくても、子供にはわかります。そうやってきた結果、「こういうふう」になった。

だったら、もう「そういうこと」はやめる潮時でしょう。

 

内田樹 『街場の教育論』「第5講 コミュニケーションの教育」108-109頁、ミシマ社)

 

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もう2017年も終わりそうです。

早いです。今年もブログを更新するヒマもなく、時が過ぎていきました。

 

昨年の3年生担任から、まさかの4年生担任ということで、単学級の小規模校では珍しい持ち上がりでした。

新しい学年、新しい教室、新たな気持ちでスタートする新学期に、また同じ担任の先生ということで、子どもたちはがっかりしたのではないかと・・・。保護者の方も、どう感じたのか・・・。しかし、子どもたちや、保護者から、嬉しいお言葉もいただきました。それを励みに、1年間やってこれました。

 

4年生でも、さまざまなことに挑戦できました。子どもたちの成長を実感できましたし、それを子ども自身や、保護者の方々が実感してくれていることがなによりの喜びです。

2年連続担任というのは、正直やりにくいなと思うこともありましたが、今となっては、全然やりにくいことはなく、子どもたちも落ち着いていますし、保護者の皆様も協力的なので、学級でさまざまなことに取り組むことができました。

クラス会議や、さまざまなプロジェクトを通し、子どもたちが話し合い、自分たちで考え、決定し、行動に移す姿が見られました。

また、授業での発表の仕方も工夫し、自主的に学ぼうとする力を伸ばしてきました。まだまだ発展途上ですが、これからの成長に期待です。

 

拙い実践に、保護者の皆様が温かく見守り、支えてくださり、なんとかやってこれました。子どもたちもよくついてきてくれました。感謝です。

 

まだ、3学期が残っていますが、さらに鍛え、子どもたちの成長を実感してもらえるようにがんばります!

 

学級通信は、2学期終了時点で、180号となりました。昨年度を上回るペース…。今年も製本をしようと計画中。

学級と家庭をつなぐ大切なアイテムです。保護者の方が楽しみにしてくれていることも、発行し続ける原動力になっています。

 

 

 

街場の教育論

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