2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

あるがままのものを認識し、できることを意志し、最後に、起こることを愛すること

- 話の締めくくりとして、ただ次のことだけをもう一度強調しておきたいと思います。すなわち、願望の対極にあるのは恐れではなく、知と力と享受なのです。一言で言うなら、といっても実際には三語になりますが、願望することの対極にあるのは、認識と活動と…

人と人が共に居る体験として絵本を読んでやってほしい

- 松居 ただ問題は、今は子供たちの言葉の体験があまりにも貧しい。耳でちゃんと言葉を受け止めるということ、声の言葉を受け止めていませんでしょ。機械から出てくる言葉、私はそれを音だと思っているんですが、そういう体験はたくさんあるけれど、人間が向…

そんなものは想像の産物でしかない。といっている間は・・・

- 「差別や偏見のない世界。そんなものは想像の産物でしかない。人間というのは、そういうものとも付き合っていかなきゃならない生き物なんだ」寺尾の目を見据え、自分でも驚くほどの落ち着いた声で直貴は語っていた。目をそらしたのは寺尾のほうだった。 (…

結局、真の知識を手に入れたい人は誰でも、険しい山をひとりで登らなければならない

- 授業で指定される本で、視覚障碍者用に印刷されたものはまずない。だから、本の内容は、指文字で手に綴ってもらわなくてはならない。したがって、私の場合、他の女子学生よりも授業の準備に余計時間がかかる。手に綴ってもらうのに時間がかかるのはもちろ…

よう書いたねぇ

- 小学校4年生くらいのころだったでしょうか。国語の授業で、教科書の文章をそのままノートに丸写しするという宿題が出されました。そこで、友だちとお互いの家を行ったり来たりして、一種の早書き競争のようなことをはじめたのです。そして、「先生、こん…

うつくしい音楽の世界をのこしていく人は、だれも、さようなら、なんていわないんだよ

- 河合 「望みがない時にどうするか」という有名な話。僕は「望みを持ってずっと傍にいる」ことが大事だってさっき言いましたが、「望みがない時はどうするんですか」って聞かれたんです。すると僕の目の前におった人が「のぞみのない時はひかりです」。みた…

時間は待ってくれない。

- 春の風にもいろいろある。ただ春風というと、春の陽光のもとの穏やかな風、そよ風をいう。春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)というのは春の景色ののどかな様子を表す熟語だ。 春の風の中でよく知られている語に東風(こち)がある。吹きすさんでいた北風がいつし…

迷いや間違いの否定は、思考の停止、人間性の抹殺にほかならない

- これに対して、私たち人間の試行錯誤によって行動を学習してゆく場合には、曲がり角やゆきづまりで、どちらの道を選ぶかということになんらかの思考作用を働かせており、ここに動物との本質的な違いがある。 前頭連合野がまだ発達していない一、二歳の赤ん…