2013-01-01から1年間の記事一覧

一度の経験は自信を与う

----- また顧みて、一年中に辛いと思ったことがあっても、これは勇気を養う資料に供することができる。過去に辛いと思ったことを記憶しれおれば、たとえ艱難に逢うても「なにこれしきのこと、自分は前にもっと辛い目に逢うても、それを切り抜けて来たではな…

今年最後の思い出

いよいよ、2013年も残すところあと1日となりました。 今年の冬休みは、色んなところに行きました。 先日書きましたが、お世話になっている先生ご家族と京都旅行。 そして、バスケ部の遠征で大阪に同行。八尾カップという招待試合です。八尾市にて2日間…

日本ではいつの間にか「錦の袈裟」という言葉が作られて、袈裟が権威の象徴になってしまった

----- 日本では、随所に仏教の権威主義化が見られる。例えば「錦の袈裟」という言葉がある。これは、形容矛盾である。「袈裟」というのは、サンスクリット語のカシャーヤを音写したもので、「薄汚れた色」という意味である。なぜ薄汚れているかというと、死…

光陰矢のごとし

----- この年もまたいたづらに暮らし来て 春に逢はんと思はざりけり ―――八田知紀 (新渡戸稲造『修養』「第十七章 迎年の準備」495頁、タチバナ教養文庫) ----- こんばんは。 お久しぶりです。気がつけば、12月も後半戦。あっという間に2学期が終わって…

何のために大衆運動を展開するのか

----- 実現する可能性のないプロレタリア革命を目指し続けた新左翼運動は、何かが壊れ始めていた。何のために大衆運動を展開するのか、騒乱状況を作りだそうとするのか。六〇年安保闘争当時、ブントは騒乱状態が革命への着火点となることを漠然と期待してい…

求められる役割をしっかり把握したうえで、さらにその上を行くパフォーマンスを心掛けよ

----- ビジネスも番組も生き物。部品や資料が揃わない。期日や予算の変更がある。何でもありだ。だからこそ「行き当たりばったり」の対処が求められる。 徳光さんがここまで仕事をしてこられたのはそういうことなのだ。徳光さんはただの呑気なジャイアンツオ…

ひみつの紅葉ちゃん

先週23日(土)が人権集会であったため、25日(月)が振り替え休日となり、職場の皆さんとバスツアーに出掛けました。 ツアー名は、「ひみつの紅葉ちゃん」 行き先は秘密。どこに連れて行かれるのか分からない状態で、ガイドさんの薀蓄(?)を聞いており…

「活動」することの重要性

----- 人間はなにを残すかではなく、いかに活動し享受し、また、他人を活動させ享受させるかという点で、意味があるからである。 (ゲーテ著、山崎章甫訳『詩と真実 第二部』「第7章」113頁、岩波文庫) ----- 「活動」することの重要性。 観念ではなくて、…

わたしの前にある長い褐色の路は、わたしの選ぶどこへでも導いていく

----- 大道の歌 1 徒歩で、心も軽く、わたしは大道に魅きつけられる、 健康で、自由、世界はわたしの前にある、 わたしの前にある長い褐色の路は、わたしの選ぶどこへでも導いていく。 これからは、わたしは幸運を求めない、わたしじしんが幸運なのだ、 こ…

いかに学識に秀でていても、徳を欠くなら学者ではない

----- 藤樹の教えのなかで、とくに変わった教えが一つあります。藤樹は、弟子の徳と人格とを非常に重んじ、学問と知識とをいちじるしく軽んじました。真の学者とはどういう人か、藤樹の考えはこうです。 “学者”とは、徳によって与えられる名であって、学識に…

「席ある?」「無理です」

----- ぎりぎりで空港に着いた。見上げたボードには便名の横に、満席の文字。予約はしていない。あきらめきれず、航空会社の係りの女性の所に行った。 「〇行きの×便、一席だけなんですが、空いてませんかねえ」 さっきから何度も同じような質問を受けている…

われわれ人間というのは、他人から受け入れてもらいたいという強い欲求をいだいている

----- 「さて、この実験の目的はピッツやオーヴァストリートのちがいを見いだすことではない。いまの実験で明らかになったのは、たとえどんな人でも、ほかの人の近くにいると、自分の内面の声をききとることや、信念を守ることが、どれほど困難になるかとい…

想像力こそ人間に圧力を加えて、勇気と冒険へ促す母体

----- 行動自体は、心理の暇もないほどの速さで普通行われる。心理は前かあとに存在するのである。しかし未来を思い、過去を思うのは人間の特性であり、動物にはない想像力というやっかいな能力が人間を掣肘している。特攻隊も想像力に悩まされることがなか…

文字が読め数がわかるといったことも子どもにとっては新たな発見であり、感動的なこと

----- 子供にとっては学校生活のひとこまひとこま、授業の一時間一時間は、新しい世界が開かれる機会であるはずです。小学校の基礎教育も「わかりきったことを教える緊張感のとぼしい仕事」ではありません。文字が読め数がわかるといったことも子どもにとっ…

どんな変革も、個人の心の中に初めてともった火から広がっていくものだということを知らねばならない

----- われわれは団結心というときに、ときどき偽善的な意味で使うことがある。というのは、団結心と指導性とはある場合には相反するからである。そして指導者は、自分の指導に従うことを団結心の証拠として要求し、要求されるものは、ただやみくもに従うこ…

「わかりあえないこと」を前提に、わかりあえる部分を探っていく

----- しかし演劇においては、たかが数週間の稽古を経ただけで、あたかも家族のように、あたかも恋人同士のように、あるいはよく知っている劇団員同士でも、あたかも他人のように振る舞うことができる。 私たち演劇人は、ごく短い時間の中で、表面的ではある…

論理的に喋る能力を身につけるよりも、論理的に喋れない立場の人びとの気持ちをくみ取れる人間に

----- 東日本大震災以後、リーダーの資格ということが多く問われてきた。大学でもリーダーシップ教育が、声高に叫ばれている。 通常、そういった場面で言われるリーダーシップとは、人を説得できる。人々を力強く引っ張っていく能力を指す。しかし、私は、こ…

異なる価値観と出くわしたときに、物怖じせず、卑屈にもならず、粘り強く共有できる部分を見つけ出していくこと

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試行錯誤の振幅が大きいければ大きいほど、子どもはたくましく成長する

----- 答えを見つけることが大事なのではなく、答えを見つけようとして、あれこれ考えることが、本来、教育の目的であるはずなのに、それが授業の中で忘れ去られているから、自分の頭で考え、自分の足で歩こうとする子ほど、問題児扱いされてしまうわけです…

「ごめんね」「まあ、いいですよ」という言葉が交わされることを無数に積み重ねることによってしか国民国家のあいだのコミュニケーションは構築されてゆかない

----- 一人の国民は、その国を代表する。 その国を代表して、他国民を糾弾する権利があり、他国民を許す権利があり、他国民の前にうなだれる権利がある。私は国民国家というものは、そのような一人の国民の「代表権」の幻想のうえにおいてのみはじめて健全に…

教師も子どもから学んでいる

----- 相手はさまざまですが、学んで変わるためには、必ずもう一方の支えが必要です。ということは一方的に、ものを教えるという関係は成立しないということになります。 あるのは学び合いという関係です。教師も子どももそうです。 わたしが、子どもに学ぶ…

よかれと思ってやったことがとんでもない結末をもたらす

----- ひと口でいえば「世の摂理は人智をこえる」。よかれと思ってやったことがとんでもない結末をもたらす。とんでもない結末が人々を不幸にするかというと、それもひと口にはいえない。すべては「時間」がたたないとわからない―――そんな感受性にあふれてい…

バナナの謎はまだ謎なのだ

----- 「ハガキノキ」とよばれる植物があります。この植物の葉っぱは、長いものなら長さ約二〇センチメートル、幅七~八センチメートルでかなり大きいのですが、何の変哲もありません。ところが、この葉っぱを一枚切り取って、その裏面に、釘か細い針金、あ…

輝く笑顔 一人一人が主人公

先日、晴天の下、運動会が開催されました。 今年のスローガンは『輝く笑顔 一人一人が主人公』 まさに、スローガンの通り、一人一人が運動会の主役となり、全員が力を合せて、一つの大きな感動を、そして輝く笑顔をもたらす運動会となりました。 人数が少な…

名月や池をめぐりて夜もすがら

----- 夜の照明手段が極めて乏しかった時代、月光は夜間の行動に欠かせぬ重要な照明であった。逆に曇や雨などの夜は、まさに漆黒の闇で、活動できるのは魑魅魍魎だけであり、人は眠るしかなかったのだ。松尾芭蕉の、 名月や池をめぐりて夜もすがら も、月夜…

教養は人の生き方であり、一人一人が自分の生き方を社会との接点を求めて考えていくこと

----- 教養とは何かという点について共通の理解がないためである。私はすでにこの問題について世に問うたことがあるが、そこでは教養は人の生き方であり、一人一人が自分の生き方を社会との接点を求めて考えていくことだとした。そしてこれまでの教養の理解…

優れた人との出会いが、向上心を刺激し、人間性を高める

----- 一人の静かな時間は、人を育てる。 人と楽しくコミュニケーションをする中でももちろん人間性は養われるが、一人きりになって静かに自分と向き合う時間も、自己形成には必要だ。音楽を聴きながらボーっと一人でいる時間も楽しい。 しかし読書は、一定…

最近何かおもしろい本読んだ?

----- 本の話を友だちとする。 こんな当たり前のような会話が若い人の間であまり見られなくなってきているのは、危機的な状況だ。私は大学生たちには、「会ったら挨拶代わりに、今読んだばかりの本や読んでいる本の話を必ずするように」と言っている。お互い…

米のめしは、日本人にとってどういうものなのであろう

----- 米のことである。米に腹が立つというのは妙だが、例の米価さわぎ以来、米の顔をみるのもいやになった。この陋劣な政権にささやかながらも抗議する手は米食をやめるほかないと思い、数日それを実行してみた。が、どうも意志薄弱で、四日目の夕食のとき…

まずは与えられた舞台で、どこまでひたむきに頑張れるか

----- それぞれ専科の先生というのは、みなさん「その教科を教えたい」という強い思いを持っているでしょうし、それは普通のことだと思います。ですが、自分が思っていた舞台ではないところで頑張れるかどうかの部分で人間性が問われてくるのではないでしょ…