2014-01-01から1年間の記事一覧

仕事が自分の活動だけで自己完結しないということ

----- 仕事が自分の活動だけで自己完結しないということは、職人仕事の満足感も、能力の発揮、仕事の主人たること、遊びのように働けることなど自分の側の条件だけではけっして得られないということである。満足のいくものつまり一定の水準にあるものが作れ…

一定の知識を子どもたちにつめこみ、その結果が、子どものすべてであるとする世界は、人の関係を固定化する。

----- 園田さんの教育のいわば象徴としてあるこの二つの実践は、こんにちの教育の中にある人間疎外と、まったく逆の位置にある。 園田さんの実践記録に触れて、わたしはそれを次のように定義した。 「教育の目的は子どもの自立を助けることである。その自明…

日本の将来を真剣に考えて投票する人間が果たしてどれだけいる?

----- 「先生、ほんとうは自分でそうおっしゃりたかったんじゃないですか。―――オトナになれよって」 「まあな」 泰山はいい、しばし自問するかのような間を置く。「たしかにいま、日本中がどうも子供じみているような気がする。政治家に女がいたらけしからん…

ペンは剣よりも強し

----- 親愛なるみなさん、二◯一二年十月九日、わたしは左の側頭部をタリバンに撃たれました。わたしの友だちも撃たれました。タリバンは、ピストルでわたしたちを撃てば、わたしたちを黙らせることができると考えたのでしょう。でも、そうはいきませんでした…

子どもが自発的に熱中する活動は、子どもが育つことそのもの

----- 子どもが自発的に熱中する活動は、子どもが育つことそのものなのです。それは大人の計画や教育以上のものです。自分ができるようになった力を使って発見し、新しい知識を得る。そして「できた!」「やった!」という自分で成し遂げたことで得られた満…

変化球を交えて、高低にメリハリをつけた声からは豊かな感情が伝わる

----- バッティングマシーンのように、あらかじめ決められた通りのボールを次々投げるような人工的でワンパターンな音声では人の思いが届かない。そっと下から柔らかくボールを手渡すようにした抑え目の声からは、思いやりの心が言葉に乗って伝わってくる。 …

どんなに困難であろうとも、子ども一人ひとりの尊厳を尊重し、教材の可能性と発展性を尊重し、教師自らの哲学を大切にしている教師こそ、教師として信頼にたる「職人気質」を会得した教師

----- 私はいつも教師たちに「職人気質」として次の三つの規範を求めてきた。その第一は、子ども一人ひとりの尊厳を大切にすることである。第二は、教材の可能性と発展性を大切にすることである。そして、第三は教師としての自らの哲学を大切にすることであ…

本は、ほどよい歯ごたえがあってこそ、知らないうちに読む力を育ててくれます

----- その意味で、たとえ知識や教訓が得られたとしても、中身の薄い小学生向きの伝記や歴史マンガなどは、「いい本」とは言えないことがわかっていただけると思います。「なんでもいいからたくさん」と言われて数をこなすために読むような本も、もちろんだ…

学ぶ気がなければ、何を教えたってだめだ。

----- 授業がはじまると、 「あああ。」 と、わざと大きなあくびをしたり、いびきをかいて眠ったふりをするものも多かった。 万次郎は、しかし、おこらなかった。 漁師あがりの身分とはいえば、たしかにその通りだったし、また、サムライたちが、その漁師を“…

人の世に熱あれ、人間に光あれ

----- 1922年3月3日、京都市の岡崎公会堂で全国水平社創立され、全国の部落から七百とも三千ともいわれる人びとが集まりました。創立大会の宣言は、これまでの部落改善運動や融和運動を「人間を冒瀆」し「人間をいたは」る運動だったと厳しく批判し、「人間…

教員採用試験1次選考試験の結果

----- 面接担当者である校長・教頭は、「面接対象の学生が自分の部下になったら」という観点で選考を行う。実際にそうなる可能性もあるから、なおさらだ。 (新井立夫+石渡嶺司 『教員採用のカラクリ』「第5章 教員採用試験のカラクリ」130頁、中公新書ラ…

教師はいつも「受難」を生きることを宿命づけられている

----- 危機と混乱と混迷が渦巻く転換期において、教師が教師として生きる基礎となるものは何なのだろうか。私は多くの学校訪問し、教師たちと学校を内側から改革する実践を推進しながら、この転換期において教師に求められる第一の事柄は、日々の授業実践を…

生きる力がない生き物なんて、そもそも生き物じゃない

----- ここまで書いてきて思うのだが、やっぱり現代社会は変である。文部省は生きる力を与える教育といったが、生きる力がない生き物なんて、そもそも生き物じゃない。そんな変な存在がいまの子どもだと、本気で思っているのだろうか。現代は先が見えない時…

褒めるべきは、結果ではなく、プロセス

----- しっかり準備したうえでの失敗は、必ず次につながる。一方で結果だけを取って褒めてしまっていては、間違った準備を続けさせてしまうことにつながるかもしれない。褒めるべきは、結果ではなく、プロセスである。 (宮本慎也『意識力』「第ニ章 気づかせ…

言い訳は進歩の敵である

----- ミスの原因を突きつめて、次の対策を見つけることが反省だ。似ているようでいて、言い訳と反省は違う。ミスを認めるからこそ、反省して次に進める。 それまでは、失敗をしたときにミスを認めるのは、恥ずかしいことだと思っていた。なんとか言い逃れを…

中途半端はどこまでいっても中途半端

そろそろ採用試験本番が近づいてきました。 職場の先輩方からは、「早く帰って勉強しなさい」と言われています。 今、やるべきことは何か。しっかりと見極めていきたい。 明日の授業も大切。 2週間後の試験も大切。 中途半端は、どこまでいっても中途半端。

小さな成功の自信が、より大きな成功が踏み台になる

----- 小さな成功の自信が、より大きな成功が踏み台になる。 ボクサーのマネージャーは、ボクサーが成功の経験を段階的に積み上げていけるように、対戦相手を慎重に選ぶ。私たちもこれと同じテクニックを使って、最初は小さな成功から経験を積んでいけばいい…

教師が変われば、子どもたちも変わっていく

----- 『学び合い』の授業をすると、子どもたちは変わります。そして実は、教師が変わるのです。教師の子どもたちを見る目が変わるのです。授業とは何か、学校とは何か、子どもたちの今そこで活動していることの意味は何か。そういったことを常に考えるよう…

効果があればやる、効果がなければならないという考え方は合理主義といえるでしょうが、これを人間の生き方にあてはめるのはまちがいです

----- 「はい」 大きな声出した。足立先生だ。 「ヤジがとばせないので苦しい」 みんな大爆笑だ。 「村野さんはまちがったことをいっているので訂正しえおく」 足立先生は高飛車にいった。そういうものの言い方と、ようしゃのないところが煙たがれるところだ…

逆境に負けない力

6月7日(土) 運動会が行われました。 この日に向けて、全校児童、全職員がそれぞれの役割を果たしてきました。大成功の運動会にしようと。 心配だったのは、天気。ずっと曇り・雨の予報でしたが、前日には晴れ間も見え、天気予報でも、曇り後晴れの予報に変わ…

「学び合い」を目指して

お久しぶりです。 最近は、ブログを更新する暇もないくらいお仕事を頑張っているということですね。 理科の専科ということで、休日には水やりとエサやりに学校へ行っています。 なので、来月から始まる学期に一度の土曜授業が始まっても特に問題ありませんw…

何か素敵なもの、感動するものを見つけてこよう。それを自分の思う方法で表現してみよう

----- 私たちは自然の一部として生きてきて、おそらくこれからも自然なしには生きていけない。自然の持つ秩序に感動したり、さまざまな相貌に美を感じたり、逆に美の欠損を感じたり、そんな感性の素養は私たちのDNAに組み込まれている。だが、今の日本の…

片手では拍手できないように、言葉というものは相手との間で成立するもの

----- 片手では拍手できないように、言葉というものは相手との間で成立するものだということが、しみじみとわかった。 さらにいえば、言葉は、物理的には単なる音声にすぎない。が、うけとめる側の耳の奥に全人間―――感受性といってもいい―――がひかえている…

わかっていることがそれ以上深まらなければ、そこには学びが生まれなかったということになる

----- 学びが生まれるということは、発見があるということです。それまでに有していた知識や技能がより深まるということです。それまで考えていた通りではなかったと気づくこともあるでしょう。全くわからなかったのに、そうだったのだと、その仕組みや意味…

新年度スタート

新年度がスタートしました。 新しい職場に移り、初対面の先生方と顔合わせをしたり、教委や地域の方々へ挨拶まわりをしたり、慌ただしい年度初めです。 また、職員会議や校内研修会で、本校の教育方針や教育哲学を校長先生がお話されます。難しいですが、大…

教育は教わろうと希う者と、教えようとする者との間にだけしか成立しない厳しい約束の一つである

----- 言うまでもなく教育は教わろうと希う者と、教えようとする者との間にだけしか成立しない厳しい約束の一つである。 (山岡荘八 『吉田松陰(2)』「松陰の分身たち」217頁、講談社) ----- 3月21日。 母校の閉校式が行われました。少子化の流れは止…

こどもたちは、楽天的で、前進的で、自由で、彼らを眺めるだけで人々の心に平和をもたらすことのできる「思想家」でした。

----- ―――こども……あなたにとってそれは、たんに未熟なヒナドリではありませんでした。むしろ、もっとも完成された創造物であり、損われてはならない人類の原型でした。 こどもたちは、けっして役立たずでもなく、かわいい愛玩物でもなく、人間の一生の中で…

ここで忘れてはならないのは「心のケア」です

----- 私たちは引き続き復興に向けて、できる限りのことをやっていきますが、ここで忘れてはならないのは「心のケア」です。 やはり子供たちは震災で大きなショックを受けたと思います。 学校という家族と離れたところで、あれだけ大きな地震を経験しただけ…

「礼」という真理を持つ者のみが人であり、それを持たぬ紅毛人は人でなく、夷狄であった

----- 幕府機関である長崎奉行が、出島に常駐しているオランダ人に日本式の礼を強要するのも、書物による儒教知識として、礼こそ真理であると思いこんでいるためである。その真理をもたぬ(別系統の礼を持っている)異国人に真理を強要するのは、人として当然…

全員が、野球をするのが楽しくてしょうがない、という雰囲気でまとまっている

----- 「オーナー。今日はいい試合ができるよ」 隣でキャッチボールをしている佐藤博行が声をかけた。 「監督さんもそう思いますか。みんな気合が入ってますよねえ」 「今日は全員が、野球をするのが楽しくてしょうがない、という雰囲気でまとまっている。や…