読書

日常の無益なことどもから 超然と孤高に保つ力を与えたまえ

- 三六 わが主よ、これがおんみに捧げるわたしの祈り―――願わくは、わたしの心の貧しさの根源を 打って打って 打ちすえたまえ。 願わくは、喜びにも悲しみにも かるがると 耐え忍ぶ力を与えたまえ。 願わくは、わたしの愛を 奉仕において 実らせる力を与えた…

一本の電話をする勇気

- 人生は挑戦の連続である。あれこれと考えていても前には進めない。「これだ!」と思ったら、まずはトライしてみればいい。やらずに後悔するよりは駄目でもともとと考え、失敗を恐れてはいけない。人生は、試行錯誤の繰り返し。挑戦することで新天地が開け…

やっぱり一生懸命治そうと思ったり、ウロチョロすたりする時が必要

- 小川 患者さんが治っていく時には、何か「ものすごくうまいこと」が起こるということを、お書きになっていらっしゃいました。 河合 そうなんです。僕の患者さんが治っていった話をそのまま書いたら、あまりに都合のええことが起こりすぎて、作品にはなりに…

現代社会で生きるには因果関係のほうが便利だから、もうそれに慣れすぎて、それしか思考パターンとして動かしていない

- 茂木 そうか。シンクロニシティというのは、外のものと外のものとがシンクロするんじゃなくて、自分の無意識と外のものとが呼応すると。 河合 絶対、そうです。 で、無意識で動いているのが、外に出てきたりね。その出てきたものの背後には無意識がある。 …

「関係性」とは心のつながり

- 河合 僕がさっきいった話ですけどね、関係性と生命現象。これ、あんまりみんないわないんですが、ものすごい大事です。でも実際にやると、経験的にうまいこといくでしょう。すると、「この方法は科学的に正しい」と思ってしまうわけですよ。そこには方法論…

本質を見抜く力

- このように、問題解決にあたって、「今何を求めたいのか、そのためには何が許されるのか?」、それを絶えず頭に入れておくことが重要です。この作業を進めていく一つの過程が、抽象化ということです。 (岡部恒治『考える力をつける数学の本』「13 余計な…

このイードラの恐ろしさは、極度にマスコミが発達した今日においては、当時のそれ以上であることを忘れてはならない

- 時は十八世紀後半、ドイツ啓蒙主義の爛熟期である。ドイツ国内では、理性に対する信頼は頂点に達していた。宗教や政治などのあらゆる権威が理性の吟味に付される時代である。吟味に付されるということは、まずは疑われるということである。学問といえども…

基本的に、ものごとは、なかなか自分が望んでいる通りにはならないものである

- 過去の対局と現在進行中の対局とでは、異なった状況になっているはずで、ニュートラルな決断をする大変さを痛感させられることが多い。 「対局中の棋士は、常に冷静に考えながら決断している」と思っている人がいるかもしれないが、プロといえども、対局中…

余命のあるうちに、先帝玄徳からうけた遺託を果たさねばならないと、唯そのことを思うのみだった

- 何ぞ知らん―――人々が楽観して軽躁に勝利を夢みるとき、孔明の心中には、惨たる覚悟が誓われていたのである。彼は決して、成功を期していない、誰よりも魏の強大さを知っている。―――それだけに、我亡き後は誰が蜀朝を保たん、我なくして蜀なし、と信じてい…

将来にわたって大きな影響を及ぼすテーマであるにもかかわらず、感情的な反応や、一人一人の体験や印象だけでいろいろな意見が飛び交い、物事が決められていくことの多い領域では、自分たちで考える力はとても大切な力

- ただ、学校という身近な問題を例に、自分の頭で考えようという姿勢自体は、変える必要がないと今でも思っています。学校の基本的な仕組みは、それほど大きく変わっていないからです。自分で考える力がつけば、その先に、この文庫本のあとがきで書いたよう…

果たして生理的な肉体の終わりだけが人間のすべての終末なのかどうかを自問自答すべきなのである

- 私の知っている七十五歳の老婦人は自分が癌の手術を受けたと知らない。医師とその娘だけがこの婦人があと五、六年で人生を終えることを承知している。だから老婦人は暗い気持ちなどを持たず、毎日をそれ相応に楽しく送っている。 そういう彼女をみると私は…

若者というものは、無限の可能性を秘めているものだ

- よいか、若者というものは、無限の可能性を秘めているものだ。その能力を引き出すのが、おまえたちをはじめとする年長者や重臣の務めだ。それを怠って、すぐに役に立つ外部の若者を引き入れるのは早計というものだ。いまうちにいる若者たちは、本来、みな…

大鵬の志は燕雀の知る限りではない

- 「いや、あなた方のお眼に、そう映るのは無理もありません。大鵬という鳥がある。よく万里を翔破します。しかし大鵬の志は燕雀の知る限りではない。古人もいっている―――善人が邦を治めるには百年を期して良く残に克ち殺を去って為す―――と。たとえば重い病…

世の中へ出てゆけば、たちまち、俗衆と同視せられ、毀誉褒貶の口の端にかかって、身も名も汚される

- 「石を玉と見せようとしてもだめなように、玉を石と仰せられても、信じる者はありません。いま、先生は経世の奇才、救民の天質を備えながら、深く身をかくし、若年におわしながら、早くも山林に陰操をお求めになるとは―――失礼ながら、忠孝の道に背きましょ…

真の太医は国の患いも医す

- 「まだ、それがしをお疑いか。医は人間の病をなおすことのみが能ではない。真の太医は国の患いも医すと聞いている。わたしくに、それほどの力はないが、志はあるつもりなのに、意志の薄弱な長袖者と思われておつつみあそばされるか―――」 そう嘆じると、吉…

どんなに悪魔的世相があらわれても、決して悲観しません

- 「この地上は、それ故に、どんなに乱れ腐えても、見限ってはいけません。わたくしはいつもそれを信じている。ですから、どんなに悪魔的世相があらわれても、決して悲観しません。人間はもう駄目だとは思いません。むしろ、見えないところに、同じ思いを抱…

なんだ、これがぼくたちさんざんさがし回ってた青い鳥なんだ

- かあさんチル お前の鳥ですよ。あの鳥いらないんでしょう。もう見むきもしないじゃないの。ところがあのお子さんはずっと前からあれをしきりに欲しがっていらっしゃるんだよ。 チルチル ああ、そうだ。ぼくの鳥どこにある? あ、あそこにかごがある。ミチ…

「自分の城」を築こうとする者は必ず破滅する

- 自我というのは自尊心でもあり、エゴでもありますから、自分を主張したい、守りたい、あるいは否定されたくないという気持ちが強く起こります。しかし、他者のほうにも同じように自我があって、やはり、主張したい、守りたい、あるいは否定されたくないの…

空気を「読む」ことと同じくらい、空気を「つくる」ことも大切

- ただ、空気を感じたからといって、お客さんに迎合するわけではございません。場の空気を感じながらも自分がやりたいことを貫くこともありますし、意図的に違う空気をつくり上げていく場合もあります。落語は、その場の笑いで盛り上がることも大事ですが、…

そこのとこはもう一つわからんのですわ

- ◆ブレイクスルーは愚問から―――森 いろいろな分野の専門家の中でも、名を成した人ほど、「わかりません」ということを気楽に言うようです。「そこのとこはもう一つわからんのですわ」と平気で言う。これは不思議です。「わかりません」ということを言えるか…

それぞれの野望の火をたやすことなく己の道をつき進むことをここに誓え!!!

- 本を選ぶのに工夫はありません。とりあえず、おもしろそうだなと思うものを手にする。ベストセラーは必ずしも読むわけではない。そして、自分が考えもしなかったことを書いてある本が、一番楽しい。 自分の専門に近いのはダメです。小説でも医療を扱ったも…

おすすめの本

今週のお題「おすすめの本」大学に入学して、初めて読んだ良書。 現在でも、3本の指が入るw否、3本の指に入る! 小説 上杉鷹山〈上〉 (人物文庫)作者: 童門冬二出版社/メーカー: 学陽書房発売日: 1995/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 25回この商品…

教室で本など見ていてはいけない

- 小学校で休み時間になっても外に出ずに、教室で本を読んでいる子が増えた。せっかくの休みなのだから、思い切り飛び回ったらよさそうなものだが、“よい子”は次の時間の準備をしたりするという。 それを親が感心するのならともかく、先生までも“よくやりま…

大企業の論理

- もう少しの我慢だとか、いまを乗り切ればなんとかなるとか、そんな上っ面な言葉はとちどころに排され、耐えるしかない悲惨な現実だけが目の前に醜悪な現実として横たわっている。 つらい時、人はそれがいつかは終わると確信しているから強くなれる。だが、…

考えること

- 人間は、嘘をつく時には、必ず、まじめな顔をしているものである。このごろの、指導者たちの、あの、まじめさ。ぷ! 僕が早熟を装って見せたら、人々は僕を、早熟だと噂した。僕が、なまけもののふりをしてみせたら、人々は僕を、なまけものだと噂した。僕…

内側にあるものは淵のように深く、人と接しては飛ぶ鳥のように活発であり、学問上の緻密さは内に向かって限りなく、学問活用の広がりは外に向かって際限がない。

- 学問はただ読書するだけのものではない、ということは、すでにみなの知っていることであるから、いまさらそれを論じる必要はないだろう。学問で重要なのは、それを実際に生かすことである。実際に生かせない学問は、学問でないのに等しい。 むかし、朱子学…

人間というのは、男女とも、たのもしくない人格にみりょくを感じないのである

- このため、助け合う、ということが、人間にとって、大きな道徳になっている。 助け合うという気持ちや行動のもとのもとは、いたわりという感情である。 他人の痛みを感じることと言ってもいい。 やさしさと、言いかえてもいい。 「いたわり」 「他人の痛み…

悩みをつき抜けて歓喜に到れ!

- 善のために悩んだ偉大な魂の人々、雄々しい「友ら」の一群を人々の周りに据えようと私が企てるのは人々に助力を贈るためである。「卓越さる人々の生涯」のこの一群は、野心家たちの慢心へ語りかけるためではない。これらの伝記は不幸な人々に捧げられる。…

「こんにちは」と挨拶した瞬間にチャイムがなって、何もしないで教室に帰って行く

- そう、何事も「ちりも積もれば山となる」。このしつこい継続はいつかは大きな物になる。 私は子どもの頃、母親の実家で、石に水が穴をあけているのを目の当たりにして驚いた。毎日屋根から落ちるしずくで、たった一粒の水滴が継続・反復の力で大きな石に穴…

資力の少ないのに屈せず、一意その目的に向かって邁進する覚悟が必要

- 要するに青年が学問なり職業なりを選択するについては、自分の性質に適合するや否やを研究し、適合していたなら、真面目にその適当とする所に従事すべく、耳触りのよいのに迷うことなく、また資力の少ないのに屈せず、一意その目的に向かって邁進する覚悟…