あなたのいる世界は本当にすばらしい

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 僕は幸せ者だ。なぜなら生きているからだ。
 しかも、山を登り人に元気を伝えていくというお役目までいただいている。誰かと比べることもないが、自分は本当に幸せ者だと思っている。
 何をもって「幸せ」というのかは、人それぞれ違う。僕にも何をもって幸せというのかはわからない。だが、自分は幸せだなあと思い、日々の生活に感謝できるようになると次々といいことが起こるし、自分自身が変わり、本当に幸せな人生を過ごせるのではないかと思う。

 僕はそれを、山から教わってきた。六大陸の最高峰でも、ヒマラヤの8000メートル峰でもエベレストでも共通して思うことがある。
 それは、当たり前に思える日常の生活が、いかに尊く、ありがたいことなのかである。
 ヒマラヤは、ないものだらけの世界だ。もちろん、もともと人間が住むことのできない世界であるから、水もなく、食事もなく、親しく話ができる人もいない。
 水を飲むだけでも、氷河の氷を30分以上かけて溶かさなければならないし、食べたいものをお腹いっぱい食べられるわけでもない。友人と携帯でメールするなんてもってのほかで、唯一、無線機だけが人とのコミュニケーションツールになる。
 ヒマラヤで、そんな生活を一か月以上もしていていつも思うことは、当たり前に思える毎日の生活が、当たり前ではないということ。
 山に登るということは、帰るべきところのありがたさを再認識することだ。
 人は、孤高の山で一人で生きていくことはできない。やはり人間は土の上でないと生きられない。山に登るからこそ、僕は土の上の生活の大切さを知っている。そして、人間は生かされて生きているということを感じるのだ。たまにそれを忘れてしまう人もいるが、あなたのいる世界は本当にすばらしい。
 だからこそ、僕は自分を幸せ者だと言えるのだ。そして、そう感じることによって、山でも土の上でも、充実した人生を送ることができるのだと思っている。


栗城史多『一歩を越える勇気』サンマーク出版)

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昨日は、お世話になっている先輩方と飲み会でした。
楽しかったです。

普段は、まじめな話や難しい話をしている人たちですが、
あーゆー場では、ぶっちゃけ話が飛び交い、本音が洩れ、
やはりみんな「人間」なんだなと・・・ww

男性ばかりでしたので、話は自然と・・・
恋愛、結婚等々・・・

しかし、ここにも、本質的な話が聞けました。

ボクよりもちょっと人生経験豊かな先輩方の話で、しかも、その人には、確たる哲学を持っているので、
いい勉強になりました^^

やはり、人間も生物なので、子孫を残さないといけません。

なので、結婚という問題は切実なのです;

メンバーの中では、一番若いので、僕はふんふんと聞いていましたが、
30代半ばの独身男性にとっては、やはり、切実な問題なのでしょう・・・

こーいった場は、普段見られない側面から相手を見ることができるので(もちろん逆に見られることも)
大切な場だと思います。

本当に一人の人間として付き合っていくならば、
仕事だけの関係とか、組織だけの関係とかではなく、
その枠組みを越えて、その人と関わっていくことが大切だと思います。


色んな人たちとあらゆる話を交わすことは、ホント、幸せだと思います。

当たり前と思ってしまう自分もいますが、
ふと、「有難い」と思うことで、すこし違った見方ができると思います。


上記の本は、前々から気になってた本です。

やっと読んでみました。

著者は、身長162㎝、体重60kg、肺活量・筋量は成人男性の平均以下という肉体にもかかわらず、「山との対話」を大切にしながら、3年間で6大陸の最高峰に単独登頂し、その後はヒマラヤ8000m峰3座の単独・無酸素登頂をしてきた人です。

登山家とは無縁だと思っていましたが、ここで繋がりましたw

本は、自分の知らない世界を知ることができます。
実際に体験することはできませんが、イメージすることはできます。
創造力を働かせることができるという、まさに本の醍醐味を味わった感じです。

8000mの世界を体験していませんが、
本の中からその非常に過酷な世界が想像されます。

そして山を通してみんなに伝えたかった著者の想い。

自分に当てはめて考えてみる次第です。

あと、もう一つ、
著者の考え方と、自分の考え方が一致するとは限りませんよね。

そんな場合でも、やはり、自分と違った価値観に触れることができるという“重要な体験”をすることができます。
これも、読書の醍醐味でしょうね。


一歩を越える勇気

一歩を越える勇気