恩人の期待するような人間になれ
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世の中で、私達はよく、恩人とよぶ人達の世話になる。普通は、この恩人に対して、礼を尽くし、その礼の尽くし方も、処世上のこまごました方法で行うことが多い。つまり、季節季節にあいさつに行ったり、物を贈ったりするようなことである。
勝は、この点、ほとんどそういうことをしなかった。彼も、多くの人に恩を受けたが、その恩人への恩の返し方は、
「その人達が期待する人間になることだ。季節季節の変わり目に、物を届けたり、お礼を言いに行くことではない」
と思っていた。
子供の頃から、島田虎之助、渋田利右衛門、あるいは渋田を知るきっかけをつくってくれた書店の主人、オランダ医者赤城玄意、大久保一翁(忠寛)、オランダ学の師永井青崖等々、たくさんいる。
勝は、たしかに優れた能力者ではあったが、しかし、こういう人々がいなければ、彼のせっかくの能力もおそらく伸びはしなかった。
勝は、そういう人が発見した自分の能力を、自ら伸ばし、自己啓発によって、彼等が期待する人間像に近づくことが、すなわち恩を返すことだ、と思っていた。
この点、今の世の中では、そのへんが見失われがちだ。
恩を返すというのは、ただ礼を尽くす、という方法にしばりがちである。これは、勝の方が正しい。
何よりも、恩人達が発見した能力を生かして、それを伸ばす努力をすることが先だろう。その上で、恩人達に、
「おかげでこういう人間になりました」
という報告をすべきだろう。そういう時に、礼の言葉や、礼の品物を持って行くことは、さらにその報告を実り豊かにする。あくまでも、
「恩人の期待に応える人間になる」ことが主である。
「恩人に、こまごました礼を尽くすこと」は、従である。
このへんをはき違えると、せっかく恩人達が発見してくれた能力も、自分で殺してしまうことになる。
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先ほど、教員採用試験の申し込みを済ませました。
とにかく、今は、教育実習と教員採用試験に向けて、心と頭と体を鍛え、挑戦していくことに集中したいと思います。
試験の結果はどうであれ、自分の弱い部分に打ち勝つことができたのかどうか、逃げずに挑むことができたのかどうか、しっかり戦っていきたいと思います。
人間ですから、時には怠けてしまうこともありますが、
そんな時は、原点にかえりたいと思います。
原点。
師との誓願です。
「私は勝ちました!」
と、ご報告すること。
常に感謝の気持ちをもって、挑戦に挑戦を重ねたいです。
「恩知らずの人間より、恩を知る犬のほうがまし」
- 作者: 童門冬二
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