肝心なことは、後悔しないことだな。そのためには、全力をつくすしかない

 

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「深く考えなさんな。こっちから近づこうとしたら、逃げていくんだから。結局のところ、あんたがなにをいっても表向き反発されるのがオチよ。ここは潔く、自分の仕事に没頭したらいいんじゃない? 一番忙しいときなんだからさ。何事も勝負所ってあるじゃないのさ。いまは大変だけど、一生懸命やればきっとうまくいく―――そう信じることが大事なのよ」

 これを乗り切れば、会社の将来を切り拓く新たな突破口になる。訴訟では実質的な勝利を収めたものの、京浜マシナリーという主要取引先を失い、実体面で迷走を続ける佃製作所にとって、泥沼から脱出できるかどうかの瀬戸際だ。

「父さんが生きてたら、目をまん丸にするだろうねえ」

 母はふと、そんなことをいった。「うちの会社が帝国重工を向こうに回して、堂々と勝負するっていうんだからさ。母さんはそれだけでもうれしいよ」

 勝負。母は、帝国重工のテストをそう表現した。

「あなたが、最初家業を継がないっていったとき、父さん、がっかりしてたけどねえ。でも、大学での研究があったからこそ、いまの佃製作所がある。そう考えると、やっぱりあなたのほうが正しかったかも知れない」

「なにが正しいかは、後になってみないとわからないさ」

 佃はいった。「肝心なことは、後悔しないことだな。そのためには、全力をつくすしかない」

「その通り。いまさらじたばたしてもはじまらないよ。腰を据えてぶつかってこい」

 母は持ち前のきっぷのよさで、佃を励ました。「もし部品が採用されたらさ、そのとき利菜を種子島に連れてってあげたらいい。私も一度見たいと思ってたんだよ、ロケットの打ち上げ」

 佃はあきれ顔で母を見た。

「それはいいけどさ、利菜の奴、来るかな」

「来るよ。少なくとも、私が誘えば来る」

 母は自信満々でいった。「親が自分の夢をかなえる瞬間、娘に見せてやりな。帝国重工のテスト、絶対にパスするしかないよ、あんた」

 

池井戸潤下町ロケット』「第五章 佃プライド」282-283頁、小学館)

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お久しぶりです。

11月に入って、光陰矢のごとし。

 

教員1年目としての経験の無さ、未熟さの結果がクラスにも表れ、子どもたちがワーっとなったりして、色々大変です;

今後の対応や方向性を校長先生や教頭先生、相担の先生等と相談し、アドバイスを頂き、また保護者との繋がりを持ち、なんとか、子どもたちとの関係は切れないようにしています。

子どもとの信頼関係が切れてしまうと、それこそ終わりなので、真剣勝負です。日々修行です。ベテランの先生ですら日々修行ということなので。

 

子どもの姿をしっかりと“見る”ことが大切ですね。

そして、適切な対応を。

子どもたちの学びを保障するためにも、子どもの姿から学びが生まれていない時、その時!どういう対応をとるのか。が重要なわけで。

その時を逃さない。その時を察知することができる経験を積むこと。そして、その時の対応を日々の実践の中で行っていく。

やはり、“経験”がものをいいます。

今は、どうしても子どもの悪い部分に目がいってしまう。そこを注意するのも大切ですが、それ以上に、いいことをしている子どもや、グループを褒めて、周りにもその姿を示していくことの方が、子どもたちを正していくにはやらなければいけないこと。

 

言うまでもなく、子どもの話をしっかり聴くことも大切。先生との関係が切れてしまうと、話をしてくれない時も。

しっかりと子どもに寄り添い、気持ちを理解してあげること。子どもは話を聴いてくれることで、自然と自己解決もしていくことも・・・。

こちらの勝手な決めつけは厳禁ですね。(猛省;)

 

保護者のクレームもないし、子どもたちは素直な子たちばかりだし、職場の雰囲気もいいし、先生方も協力的だし、環境は何も問題ない。

ただ、自分の経験の無さ、未熟さに、苦労しています;

今こそ、教育者として成長できる時だと感じます。

クラスの子どもたちに、成長させてもらっているなーと感じます。ホント。

 

 

ps,

バスケに関して。

中学校の教員免許取得も視野に入れているのですが、地元でミニバスを立ち上げるという計画も出てきました。

中学校の部活でバスケを指導していくのか、ミニバスで指導していくのか。

小学生の指導の大変さや、楽しさ、面白さを実感している中、中学校の先生もやってみたいという気持ちもあります。(元々、中学校の教員を目指して教師になろうと決意しましたし)

でも、ミニバスにも魅力を感じています。

いろんな方法はあると思いますが、バスケとは関わっていきたいので、こちらの問題も頭に入れつつ、目の前の問題からも逃げずに、明日からまた走り回ります。

 

 

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下町ロケット

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