小事が大事

f:id:mind1118:20120213162247j:image

        • -

 私の好きな言葉に「小事が大事を生む」というのがある。いきなり大きいことを目指すのではなく、小さい事柄を積み重ねてこそ大きな目標が達成できるという意味だ。
 それを体現している選手のひとりが、前述したイチローだ。二〇〇四年、イチローは262本というメジャーの年間最多安打記録を達成した。それは八十四年間も破られることがなかったジョージ・シスラーの257本を5本上回る記録だった。
 そのとき、イチローはインタビューに答えて、こんな意味のことを語った。
「頂点に立つということは、小さなことの積み重ねだ」
 この彼の発言は前述したが、まさに私の野球観に通じていた。
 彼のバッターボックスでの立ち位置やバットの振り方ひとつからも、彼がその言葉をとても大切にしていることが感じ取れる。フォームひとつにしても、現状のものに満足することなく、毎年ほんの小さなことなのだが、少しでも確実性の高いものに変えていこうとしている。ふつうならある程度の実績を残すと現状に満足してしまうが、彼は常により高みを目指すという姿勢を崩そうとしない。
 それは彼が、こと野球については大いなる知恵者だからである。そして彼は、小さい事柄を積み重ねていくことによって自信と勇気を得て、頂点を目指している。


野村克也『野村の実践「論語」』「第1章 絶え間なき自己研鑽が人間力を育てていく」55頁、小学館)

        • -


先日、恩師のバスケ部の練習、練習試合を見に行きましたが、やはり小さな細かいことの積み重ねが、勝敗を分けるのだと思いました。

レイアップの時の手の向きとか、シュートチェックとか、ディフェンスの位置とか、技術的な部分もそうですが、“それ以前に大事なもの”もあるわけで、それこそ、細かいことかもしれませんが、そこが大事なのです。

ミニバス経験者を率いて戦うわけでもなく、普段の練習では、他の部活との関係から体育館が使用できず、ボールもあまり使えない状況で、生徒たち自らが掲げた目標に近づいていくには、生徒自身の努力も必要ですが、監督の指導力こそ必須でしょう。

高級食材でフランス料理を作るのではなく、雑草からフランス料理に勝てるだけの料理を作らなければならない。

指導者の腕が試されるわけです。

ボクの恩師である先生もミニバス未経験者のチームを県大会に出場させるまでの指導力をもっています。

日々の研鑽、思索を繰り返し、よりよいものを求めていく姿勢を感じています。

いつか先生が、野村監督のことを話していたことがありました。

ちょうど、WBCの時だったでしょうか。

その時、
「野村監督が日本代表の監督だったら面白いだろうな」
というような話だったと思います。

「ぼやき」で有名な野村監督(今は監督じゃない)ですが、大物選手が少ないチームを上位のチームに作り上げる腕はもっているそうで。

実は、野村監督のことはあまり知らないw

それはそうと、

スパースターがいるチームで勝つより、弱小チームを強くしていくことの方が、監督としての腕が試されると思いますし、これこそ、監督としての醍醐味ではないかと。
前者もそれなりのプレッシャーはありますが。

恩師も様々、苦労の中で色んな本を読んでいるそうです。
その中のひとつが、上の『野村の実践「論語」』です。

ということで、ボクも読んでみました。

書いてあることは、共感しますし、なるほど!と思うことが多く、勉強になります。
大切なことは、“当たり前”のことですし、もうひとりの尊敬する恩師の仰っていることとも一致しています。

ですが、経験者から語られる言葉には重みがありますネ。


野村さんの監督時代、現役時代、少年時代などのエピソードを踏まえつつ、「論語」を引用して野球観、人生観が書かれています。
これも残りのページを一気に読みたいと思います。


晴耕雨読。


ps,
髪型や服装など、一見バスケや野球に関係ないことのようで、やっぱりその姿勢が試合にも出てしまうのです。
髪の乱れは、精神の乱れ。
ということで、昨日、髪を切りに行ってきました。
スースーして寒いですw



野村の実践「論語」

野村の実践「論語」