なぜなら、それらは、日ごとに繰りかえされる幾千もの事件の精髄であり、これらの事件によって日ごとに例証され解説されるものだからである

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 ひとつびとつの普遍的(全称的)心理が特殊的(特称的)心理に対する関係は、金が銀に対するごとくである。というのは、あたかも一枚の金貨を多くの小銭に替えることができることができるように、ひとつの普遍的真理を、それから帰結する相当数の特殊的真理によって置き換えることができるからである。たとえば、植物の全生活は還元過程であり、これに対して動物の全生活は酸化過程であるとか、あるいはまた電流が回転していると、それと直角に交叉する磁流がただちに生ずるとか、あるいはまた、いかなる発生動物も肺によって呼吸するとか、また、すべての化石動物は絶滅せる動物であるとか、いかなる産卵動物も横隔膜を有せずとか―――これらはみな、普遍的真理であって、そこからきわめて多くの個別的真理をみちびき出し、それによって当面の諸現象を説明し、あるいはまたかような現象を直接の目撃以前に予想することができる。道徳や心理の領域における普遍的真理も、これに劣らぬ価値を有する。これらの領域においても、ひとつびとつの普遍的規則やその種の箴言が、いな、ひとつびとつの諺でさえ、金のように貴重なものではないか。なぜなら、それらは、日ごとに繰りかえされる幾千もの事件の精髄であり、これらの事件によって日ごとに例証され解説されるものだからである。


ショーペンハウエル、細谷貞雄訳『知性について 他四篇』「論理学と弁証法の余論 二三」39-40頁、岩波文庫

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お久しぶりです。

いつぶりでしょうか。

相変わらず忙しい毎日ですが、元気にやっております。

5月下旬から今日まで、兄が教育実習のため帰省しており、昨日で実習も無事に終わったとのことです。

2人で一つの机、パソコンを共有していたので、机の上が悲惨なことになっていますw

実習中には体育祭もあったそうで、充実した、あっという間の3週間でした。

昨日は、実習生のいる3クラス合同でお別れ会的なことをしたそうで、そこで、生徒から一人ひとりの実習生に挨拶をしたそうです。
兄のクラス以外の2クラスの生徒は手紙を書いてそれを読んでいたのですが、兄のクラスの子は手紙を書いていなかった。しかもその子は、普段おとなしい子で、クラスにいるのかいないのかというぐらいの存在感。その子が、クラス代表で挨拶する役目を“立候補”したそうです。
担任の先生も驚いていたと。
で、その挨拶の時は、緊張し、つっかえながらも一生懸命喋ってくれたそうで、めっちゃ嬉しかったそうです。

クラスでの帰りの会では、生徒から挨拶があったそうですが、その生徒が号泣し、その涙にもらい泣き。
兄は話すことができず、板書したそうです。
一人ひとりに徹夜して書いた手紙を渡し・・・。

自分の教育実習の時のことを思い出しました。


とかく、生徒たちになんらかの影響を与えた兄もすごいと思いましたし、生徒らも先生に応えようとしている姿が感じられました。

自分もまた身の引きしまる思いです。

昨日は実習のお疲れさん会ということで大いに飲んだそうですが、

かくいう自分も昨日、先生たちと飲み会でした。
少人数でしたが、若い先生を中心に、昨年まで本校にいた先生たちも集まりました。

みなさんそれぞれの立場で大変な思いをされながら日々子ども達と格闘しているんだと、いつも感じるわけですが。

自分のやり方に自信がなかったり、どうしていいのか分からなかったりすることもありますが、色んな先生がいて、その分やり方も十人十色。
授業前と終わりの号令一つにしても、色んな考え方があるものです。
叱り方とか。

他の先生がやっていることをやってみるのもアリです。
というか、経験ある先輩教師がやっていることですし、子ども達のためにもやることはやっておかないときちんとした指導はできないですし、子どもとの信頼関係も築けません。
「なぜなら、それらは、日ごとに繰りかえされる幾千もの事件の精髄であり、これらの事件によって日ごとに例証され解説されるものだから」

自分自身の実践と経験で実証を示していきたいものです。


6月も半ば過ぎ、教員採用試験まで、あと1ヶ月ほどになりました。

とにかく、自信をもって臨んでいきたいです。


知性について 他四篇 (岩波文庫)

知性について 他四篇 (岩波文庫)