それこそわが生き甲斐なのだと悟って、ぐっと巨きな大樹に生長していったのは、この絶望の直後であった
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「重之助! 死んではならぬぞ。何のこれしきのことに!」
「は……はい」
「人は天地の心にそむかざれば栄うべしと、これも玉田先生のお言葉にあることだ。それを忘れて、このくらいのことで挫けては、父にすまぬ、母にすまぬ。重之助! われらの仕事はこれからだぞ!」
松陰の人生に挫折の二字がなくなったのは、この下田の海辺で、朝の日の出を見た時からだ。
彼が、霊夢によって不撓不屈を天地に誓い、二十一回猛士と名乗ったのは、この年の十一月、長州藩の野山獄に移されてからなのだが、いかなる困難にも断じてたじろぐべきではないとする勇猛心! それこそわが生き甲斐なのだと悟って、ぐっと巨きな大樹に生長していったのは、この絶望の直後であった。
(山岡荘八 『吉田松陰(2)』「蹉跌の哲学」130-131頁、講談社)
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今日は、3月16日。
今日を新たな出発として、明日からまた再スタートする決意でいますが、
いよいよ卒業式と終業式が間近に迫ってきました。
昨日は、1年間総合の時間での竹林・環境・地域の学習でお世話になった地域の方々、人権学習で目の不自由な人・盲導犬の学習でお世話になった方にお礼の気持ちをこめた音楽発表会を行いました。
4月から音楽の授業の子どもたちを見てきましたが、みんなとても綺麗な歌声。それは指導して頂いた相担の先生の力でもありますが、子どもたちの力にはビックリさせられます。
そして、音楽発表会に向けての練習もあまり時間がない中でしたが、普段の授業で練習してきたことを発揮し、お世話になった方々にも喜んで頂けました。
もうすぐ5年生。子どもたちの成長を実感。
そんな中でも、問題点は多く・・・;
発表会直前にもトラブルが・・・。そもそもの原因を突き詰めていくと、自分自身の対応のマズさが原因でした;
結局はそこなんですね。
子どもたちは何も悪くない。と、今は思えるわけで。
自分の力不足に嫌気もさす・・・;
「もう無理・・・」と、頭をよぎることもありました。
そこへ、卒業式の準備。成績の準備。
何が何だか・・・ orz
そんな日々にあっても、困難に決して逃げてはいけない、負けてはいけない。しっかりと向き合う。そして、一人じゃない。と励ましてくれる仲間、恩師もいるわけです。感謝。
悩みや困難にぶつかった時、逃げることは簡単です。が、すぐにまた同じ悩みや困難にぶつかる。これは、人のせいや環境のせいにしている間は、ずっと続きます。死ぬまで。いや、死んでからもでしょうね。
問題は、自分を変えることで悩みや困難を乗り越えられるということ。戦後の日本で、人間革命というワードが世に出てきたそうですが、社会を創っていく人間こそが変わらなければ、社会も世界も変わらないということ。同じ過ちを繰り返さないように。
人間は大人になっても未熟ですから、常に練磨が必要ですし、共に成長していける仲間が必要。
忙しさに流されそうですが、今、有難い環境にいるんだなと実感した日でした。
どんな人も、悩みや困難にぶつかっている、仕事やプライベートで悩みながら一生懸命戦っている。
このことに気づくだけでも、大きな変化が自分の中に生まれる感じがします。

- 作者: 山岡荘八
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