子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。
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子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。これこそたしかに、あらゆるよい教育の根本原則だ。
(ルソー著、今野一雄訳 『エミール(上)』「第3編」386頁、岩波文庫、1962年)
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子どもたちに何を教えるのか、その教育内容を考えることは、授業を行う上で重要なこと。
私たちは、衣食住だけでは生きていけない状況にいます。生きていくために必要なのは「自尊心」。
その「自尊心」を支えるのが、「文化」だと。(脇朋子『読む力は生きる力』岩波書店、2005年)
衣食住に加え、健康、安全、福祉、政治、道徳、芸術、技術、スポーツなどの多様な文化の中で生きていくわけですし、教育はこれらの文化を継承し、改造していく営みともいえるのではないでしょうか。
これらの文化所産は、ほとんどが科学と技術に規定されているのも一つの特徴。私たちの行動様式は、科学技術の専門的研究成果による裏づけが見られる。
歯みがきの例でも、歯ブラシの当て方や動かし方など合理的に説明されますし、歯磨き粉の成分には、消毒、歯石溶解、口臭減退などの働きがあります。これらは、科学研究による成果です。
科学内容と教育内容がどのように関連しているのかという問題から、「教育内容の組み換え」が行われるという流れになる。
ルソーは、科学的扱いと教育的扱いを適切に規定した。
子どもたちを主体に置き、教育の目的である人格の完成に貢献することが教育内容の組み換えの中心にあらねばならないということになりますね。
ここから教育内容の正当化を考えていくわけです。
『教育方法学』のレポート課題に取り組み中・・・。
ps,
久々に『エミール』を読みましたが、「教育」に携わる人にとって必読書であるということを改めて感じました。
もう少し丁寧に読みたいところですが・・・。

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