試行錯誤の振幅が大きいければ大きいほど、子どもはたくましく成長する
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答えを見つけることが大事なのではなく、答えを見つけようとして、あれこれ考えることが、本来、教育の目的であるはずなのに、それが授業の中で忘れ去られているから、自分の頭で考え、自分の足で歩こうとする子ほど、問題児扱いされてしまうわけです。
わたしがよく例に出すコルネイ・チェコフスキーのことばに、
―――試行錯誤の振幅が大きいければ大きいほど、子どもはたくましく成長する
というのがあります。
あれこれ考えて、試行錯誤するほど、頭脳は発達する。考えてみれば当たり前のことが、正しく認識されていないのです。
同じ答え、一つの答えを見つけることが、教育の最終目標ではない、ということを、くり返しておきます。
(灰谷健次郎『子どもに教わったこと』「教室の中の子ども」81頁、角川文庫、1997年)
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算数でも、国語でも、理科でも、その他の科目でも、基本的に自分の頭で考えることが重要なので、教師が答えを急ぎ、子どもが自分の頭で考える力を奪ってしまっていることを注意しなければいけない。
そのことに気づかず、「自分で考えなさい!」というのは、教師の都合のいい話。
子どもの「学び」が深まるのは、どんな瞬間か。
それを見極めていきたい。