頭で納得できても心が納得しなかったら、とりあえず闘ってみろよ

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「おまえはいま、色んなことに気づき始めている時期なんだよ」
バトンタッチを受け、朴舜臣は言った。
「どういうこと?」とわたしは訊いた。
「おまえのまわりを取り囲んでいるシステムとかカラクリとか、おまえがこれまで特別に意識してこなかったものだよ」
「それがいけないこと?」
「いけなくはないよ。ただ、おまえがシステムとかカラクリに疑問を感じたり窮屈に思うようだったら、きちんと怒り続けるべきだよ。こんなもんか、なんて思わないでな」
いまいちよく理解できないでいると、アギーが捕捉した。
「おまえは頭がいいから、システムとかカラクリが見えてくると、今度はそれを使って人を出し抜く方法を簡単に見つけ出せるようになるよ。それか、他人がしていることにいつも冷たい笑いを浮かべながら、楽に生きていく方法とか」
「……わたしが中川みたいになるってこと?」
車が赤信号に捕まり、停まった。アギーはハンドルから手を離し、わたしを見つめて、言った。
「そういうことじゃないよ。いまのおまえは頭で考えたことより、ハート(心)とソウル(魂)で感じたことのほうを大切にしたほうがいいってことだよ」
「…………」
「とにかく」と朴舜臣は言った。「当分のあいだは頭で納得できても心が納得しなかったら、とりあえず闘ってみろよ。こんなもんか、なんて思って闘いから降りちまうのは、ババアになってからでいいんじゃねぇか」
 
 
金城一紀 『SPEED』175ー176頁、角川書店
 
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4月から3年生の担任をもたせていただくことになりました。 

昨年度の忙しさは何だったのか。

4月から夜も遅く、朝も早くなって、やることもたくさん。

土日は、平日にできないことを進める。

 毎日が充実しすぎている。

元気いっぱいの子どもたちと共に汗をかき、恥もかき、レポートも書いていきます。

自分自身と闘いながら。

 

ps,

多忙極まりない中、読書も少しずつですが進んでおります。

最近、金城一紀さんにハマっております。

『GO』

『対話篇』

『レボリューションNo.3』

フライ,ダディ,フライ

そして

『SPEED』

を読みました。

ということで、本日『レボリューションNo.0』を購入。

ちょびちょびと愉しみながら読んでいこう。

 

 

 

SPEED (The zombies series)

SPEED (The zombies series)

 

 

 

 

レヴォリューションNo.0

レヴォリューションNo.0