教育実践に、大いなる自信と疑問を持て

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 贈り物をもらって、それに感謝しつつ、「物」で返さないのは、その分だけ「心」の関係を維持することになる。友人間の一心同体関係を強調するとなると、返す返さないなどは意味を持たない。とは言うものの、そこは人間の悲しさで、相手から何らかの返し、あるいは何か別の機会の贈り物などがまったくないとなると、なんだか関係がぐらついてくる。ほんとうに喜んでいるのかな、とか、友人関係を何だと思っているのだろうということになってくる。

 確かブータンだったかと思うが、日本人がブータンの友人に相当な贈りものをしたが、あまり感謝の言葉もないし、日本人が何となく期待していた相手からの贈りものもない。この地では、もらいっぱなしになるのかと思っていたが、十七年経って、その相手から立派な贈りものを受け取り、以前の礼を言われて驚いてしまった。わけを聞くと、この地ではすぐに物を返すのは失礼で、友情がほんとうに確かになって、物によって関係が乱されないようになるまで、心の関係を保つことが大切だと聞かされて、感心したとのこと。それにしても十七年というのは凄いと私も感心してしまった。実はこれはどこかで読んだ話で、いろいろ探してみたが原文が見つからず、私の記憶違いがあるのかもしれないが、御寛容をお願いする。

 

 

河合隼雄『大人の友情』「友情と贈りもの」178-179頁、朝日文庫

 

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この仕事をしていて、ふと思うことがあります。

高校卒業して就職した会社は、鉄を加工して売って、給料を頂いていました。何かを作り上げて、それを販売し、ボクの給料となる。

この仕事はどうだろう。何をつくり出している。。。と考えると、大きな責任感と自負を感じるわけです。

大先輩は「教育実践に、大いなる自信と疑問を持て」と、言われました。

今の自分の実践に自信を持つとともに、果たして目の前の子どもたちの姿が本当に見えているのか、本当に寄り添っているのか、そして、子どもたちが逆境に負けないチカラを身につけているのかどうかを総点検することも怠ってはいけない。

 

先日、学級通信100号を記念して、子どもからプレゼントをいただきました。

何でお返しできるか。

 

明日からもがんばろう。

 

 

 

大人の友情 (朝日文庫 か 23-8)

大人の友情 (朝日文庫 か 23-8)