あたかもその場にいるかのような錯覚

 

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  上手な落語を聞くと、セリフとしぐさで造形された人物が、あたかもその場にいるかのような錯覚を起こさせる。酒を飲むしぐさ、そばやうどんを食べるしぐさ、饅頭を頬張るしぐさなどかリアルに描写され、登場人物の実在感を生む。酔っ払いは次第に酔いが回って呂律があやしくなり、同じ話を何度も繰り返すなど写実的に描写される。現実にいる酔っ払いは不愉快なだけだが、落語の登場人物としての酔っ払いは観客を笑わせるために酔っている。

 

 

織田正吉『笑いとユーモアのセンス』「第1章 商品としての笑い」岩波書店、15頁)

 

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本日、「第4回教育と笑いの会」に参加してきました。

初任研の指導教官におすすめされた中で、面白そうだったので、申し込みをしてみました。

初任研でも活用している本の著者、野口芳宏先生も登壇されるとのことで、楽しみにしていました。

岐阜聖徳学園大学教育学部の玉置先生が進行役で、冒頭から笑いが起こる挨拶でスタートしました。

初めに、『野口先生の(しっかり)笑える教育の話』があり、野口先生が紹介されると、なんと、僕の隣の人が「はい!」と言って、壇上へ向かいました。僕の隣に座っていた人が、野口芳宏先生だったのです!びっくり…。

 

野口先生の実体験の話を聞きました。

子どもが自ら考えて、自ら行動することの一例を挙げられていました。笑いを取りながら。

野口先生の子どもに対する言葉がけ、考え方も面白かったです。

 

その後、『志水廣先生の(微妙に)笑える話』、『大西貞憲先生の笑えない(笑ってられない)教育の話』、『池田修先生の(笑える)教育ワークショップ』が続きました。どれも面白く、短時間だったのが残念でした。

 

そして、この会で、人生で初めて落語を生で見ました。

桂雀太さんと、林家花丸さんの落語です。

どんどん落語の世界へ引き込まれました。まさに、演劇のよう。一人で演じているのに、何人もの登場人物が出てきて、一人じゃないような錯覚を覚えます。あたかもその場にいるかのような錯覚。

とても面白かったです。古典落語も、その方のアレンジが加わって、より面白さが増します。

林家花丸さんは、人情噺でした。ラストの展開に思わず胸が熱くなりました。

また、生で落語を見たくなりました。

 

最後のシンポジウム「教師修行と落語家修行の接点」は、所用で途中退席したので、聴くことができず残念でしたが…。

 

第5回教育と笑いの会は、北海道で開催とのことで、とても無理なので、第6回に期待。