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うつくしい音楽の世界をのこしていく人は、だれも、さようなら、なんていわないんだよ

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河合 「望みがない時にどうするか」という有名な話。僕は「望みを持ってずっと傍にいる」ことが大事だってさっき言いましたが、「望みがない時はどうするんですか」って聞かれたんです。すると僕の目の前におった人が「のぞみのない時はひかりです」。みたらね、新幹線の売り場なんです(笑)。あんまり感激したから、「あっ、のぞみの次はひかりだ」って言うたらね、向こうはびっくりして、「こだまが帰って来た」って(笑)。僕はこういう話をするのが大好きなんですよ。毎日やってます。
小川 物の名前っていうのも、うまくついてますよね。
河合 いや、うまくついてますよ。アインシュタインの、光は全てのものの中で一番速いいうのは間違いです。光より速いものがあったんです。
小川 のぞみ。
河合 太陽から、ここまで光が届くのに何分かかるか知ってる? 八分。ところが僕が太陽に「お願いします」言うたらパッと一瞬にして届く。
小川 一瞬ですね(笑)。
河合 だからのぞみはひかりより速いんです(笑)。こだまとやまびこの差は知ってますか。東京駅で「おーい」って言うて、東北の方から「おーい」って返ってくるのが「やまびこ」、関西の方から返って来るのを「こだま」って言うの。
小川 方向が違うんですね。
河合 東京駅で実験すればわかります。


河合隼雄小川洋子 『生きるとは、自分の物語をつくること』「傍にいること」116-117頁、新潮文庫

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今日でGWも終わりですね。

明日からまた新たな出発の思いです。

4月から新学期が始まり、子ども達も4年生になったばかりで緊張等もあったと思いますが、1ヶ月が経ち、慣れてきたことだと思います。

GW明けで気持ちも少し変化していることでしょう。

どんなクラスになってくのか、ここが分かれ目となるでしょう。

しっかりとシメておかないと、今後大変なことになってしまう可能性もなきにしもあらず・・・。


さて、GWは充実した日々を過ごせました。

久々に会う友人・先輩・後輩、バスケも楽しめました。

洗車や部屋の片づけ、来週からの授業の準備等々。

読書も久しぶりにゆっくりとできました。

学校の「としょかんだより」の職員室版で紹介のあった河合隼雄、松居直、柳田邦男『絵本の力』という本が面白そうだったので、さっそく入手してみました。

それにしても河合隼雄さんは、面白い話をされる方ですね。

実際にお会いしたことはもちろんありませんが、本を通してその人間性に触れることができます。

『絵本の力』にも書いてありましたが、体は死んでも、“魂”は生き続けると。

それは、音楽や書籍、物語等々で残っていくものなんでしょうね。

となれば、この世の中は先人たちの“魂”がたくさん残っていて成り立っていると思うんです。

先人たちの並々ならぬ努力と知恵で、今のこの世界ができあがってると。

で、今のボクらも、これからの世界をつくりあげていく一人となっていると思えてなりません。

「未来を創るのは、今」
とは、たしか、ワンガリ・マータイ博士(1940-2011)の言葉だったと思いますが・・・;


その未来を担う子ども達と関わっていく職業に就いて、責任を感じつつ、有難いことだと感じております。

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 おじいさんはヴァイオリンを残して立ち去っていくんです。クリスは追いかけていって、見たら、おじいさんは船に乗ってどこかへ行く。二人が必死に呼んでも聞こえない。そこでクリスが思いついてヴァイオリンを弾くんですね。そうするとヴァイオリンの音に対しておじいさんははっと反応してうれしそうに帰っていくんです。帰っていくんだけれども、結局は何もいわずに立ち去ってしまいます。最後の文章はこんな文章です。「あとで、クリスはダニーにいってきかせるだろう。うつくしい音楽の世界をのこしていく人は、だれも、さようなら、なんていわないんだよ」。なんでおじいさんはさようならとはいわないんでしょうね。さっき『よるのようちえん』は、さよよんならららんといって帰りましたね。あそこに出てきたそっとさんたちは、またくるからです。またくることは確実ですね。このおじいさんはもうきません。きませんけど、もっと確実なことがある。それは音が残っているということです。音楽は残っている。これはすべてのテーマに共通でした。やぎが死んでも音は残っている。ヴァイオリンがこわれても、ボディがこわれても残るものというと、私なんかすぐ連想するのは、魂ということです。体がなくなってもまだ残っている。
 そういう意味で音と歌というのは、心をすましていたら聞こえてくる魂のひびきといっていいのではないかと思います。私の話から皆さんの心の中に音と歌が残ったら、私は終わりといわずに終わろうと思います。


河合隼雄、松居直、柳田邦男『絵本の力』「絵本の中の音と歌 河合隼雄」42-43頁、岩波書店

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ps,
人は死んだらどうなる、とか。魂は残るのか、とか。そういう類の話は、個人的にはとても興味深く、ぜひ飲みながら話したいものです。それも学生時代ならいくらでもできましたが、なんせ今はそんなこと考えている暇がありませんw
しかし、前にも書きましたが、分からないことを曖昧にして、テキトーに人生を生きる。これはあまり好ましくないかと・・・。
庶民が賢明でなかったから、あの悲惨な戦争に突き進んでいったのではないかと思うんです。
もうすぐ選挙もあるかと思いますが、“政治屋”に任せて、辛い思いをするのは、ボクたち庶民です。
庶民は、「監視の眼」を厳しく持たなければならないと思います。
結局馬鹿を見るのは、誰?ってことです。


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生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)

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絵本の力

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