2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ただ「知っていてくれる……」

- 人間の生活の中には、ふしぎな生き甲斐、ふしぎな感動が潜んでいる。 人生意気に感ずという古人の言葉があったが、 (―――自分をよく知っていてくれる者がここにいる……) そう思うと、高杉晋作ほどの男も、男泣きに泣かずにいられない感動を味わった。 晋作…

国中にバカ者が多い時には、必ずバカな大統領が出てくるに違いない

- 彼にいちばん納得できないのは、バカな人間も賢い人間も、入札の場合の権利は同じ一票だということだった。 「すると、バカな人間の多い時にはバカな大統領が出てくるわけだ」 「いや、そんなことはない!」 と、チャールスはさえぎった。 「個々にはおろ…

三重県鳥羽市の答志島

- 夏の雲といえばだれしも思い浮かべるのが入道雲だ。真夏の強い日差しによる激しい上昇気流が作り出す積乱雲である。 山の端や海上に湧いた小型の積乱雲が、見る間にふくれ上がっていき、巨大な積乱雲の団塊に成長して数千メートルの上空に伸びる。積乱雲が…

もし自分が幸福に恵まれると信じれば、にこにこして仕事に励むだろうし、災害があっても微笑して我慢し、微笑を浮かべて再スタートを切るだろう

- 迷信 来年がどういう年になるかという真面目な記事を読んだところだ。雨の多い夏になろうという、誰もが想像している予測をしている気象学の専門家を含む、各分野の専門家の見解を紹介するものであった。最後の総括は、三流どころの預言者であるオールド・…

志士の交わりに不実は禁物

- 言いざまにガブリと一口茶碗の液体を呑みこんであやうく晋作は咳込みそうになった。 有鄰ニヤリとした。 「こ、これは、酒でござりまするなあ先生」 「お気に召さぬかの」 「いや、しかし……」 「お身の顔に好きと書いてある。それを読んでそれを供せざれば…

技術も……気力も……体力も……、持てるものすべて……、すべてをこのコートにおいてこよう

- 桜木花道が入部した湘北高校はインターハイ出場を果たして一回戦を突破。二回戦では高校バスケット界で君臨する山王工業高校に挑戦することになりました。前半を三六対三四でリードして終わったものの、後半開始にあたって安西先生がみんなに言った言葉は…

目に見えないこの暴風の含む不正の波も腹の底から憎かった……

- この大悲劇の原因の根はいったいどこに求めたらよいのであろうか……。 ある者は江戸時代の庶民が泰平の夢をむさぼり過ぎたのだという。されば、泰平とか平和とかを永続させることは罪悪なのであろうか? またある者は、鎖国が日本人を文明の進歩から除外し…

挨拶は心の灯火である

- 朝から元気な挨拶を聞くと、こちらまで元気になってくる。この挨拶は人と人を結ぶ大切なパスポートであり、面接試験では「挨拶」が重要なポイントを占めているのは納得が出来る。挨拶でその人柄や心が見えるからである。その挨拶には、声の大きさと実行の…

「わかりやすさ」は他人への愛

- 楽屋裏をご披露するようで恐縮だが、私が物を書くうえで「文章の師」として尊敬している人が二人いる。一人は、上杉鷹山の師・細井平洲であり、もう一人は福沢諭吉だ。細井平洲は、 「難しいことをやさしく説くのが本当の学者だ」 と言って、青空劇場とい…

わが心事のわかってくれるのは貴君のみ……

- 「―――今後才略功業の人物は現れるかもしれないが、まことに嘆かわしい事ながら忠義の種はもはや絶滅した。獄中にひとり坐って諸友を顧みるに、わが心事のわかってくれるのは貴君のみ……」 一字一句を吟味しながら、そうした意味のことを書いた。どうして反…

二度目の挑戦と結果

- 元来、人は他人が己のためにしてくれたことを安く値打ちし、人のためにしたことは過大に計算したがるものである。余の知人に、かつて一時逆境に陥ったが、今はその位地も高くなり、数年来旭日昇天の勢いをもって、繁栄の位地に上った人がある。位地が上っ…

「生命の尊重」の決意によってのみ、将来の人類の繁栄が期待できるのではないか

- とかく空虚な響きとして耳をかすめがちな「生命の尊重」という言葉ーーーその意味をここまで掘り下げ、心の奥深く定着させ、それによって、日々の行動を規制してゆきたいものである。複雑に絡みあう集団と個の対立、個と個の対決によって、ますます非合理…

倦怠というシロモノ

- 戦争への入り口になる日常とはどんなものか。知らずしてそこを通過すると戦禍のただ中にいるような。考えるだけでも怖ろしいし、第一そんなものあるわけないだろう、あれば当然そんなところに踏み込まないよ、ですか? 普通の世間で見渡した時、そのまま進…