読書
こんばんは。 今年に入って、2回目の更新。2018年、半年以上が過ぎました。 2018年は、まだ3カ月残っていますが、いろいろありました。 4月に年度が代わり、今年度は、6年生の担任をしています。 初めての6年生担任。卒業に向けて、総仕上げの…
----- 「勉強するて、何のために」 どこまで本気なのか、打診してみたいという気持ちもある。 「何のためにって、自分の向上のためにです」 「秀ちゃんは、本読むだけで成長でけると思うてるの」 秀は、ちょっとむずかしい表情になり、鼻の先に皺を寄せた。…
----- いま支配的な教育観は「自分ひとりのため」に努力する人間のほうが「人のため」に働く人よりも、競争的環境では勝ち抜くチャンスが高いという判断の上に成り立っています。私利私欲を追求するとき人間はその資質を最大化する。隣人に配慮したり「公共…
----- 生命受難は政治の上から降りかかろうと、経済の上から降りかかろうと、その根は同じものではないかと思われて仕方ありません。かつて林竹二先生は教育の成り立ちにふれて、生命の畏敬のないところに教育は存在しないと言われました。 このことは教育に…
----- 橋を見て、思いのほかきれいなもんやなぁと、クルーのひとりが言いました。 そんな人工美がないとはいえないけれど、私はそんなことより、地球から生えてきたものと、どんなに計算され強度を持ったものであっても人が作って地球の上に置いたものとの差…
----- ノイローゼといっても非常にいろんなものがありますけれども、日本の人がよくなるノイローゼに、たとえば対人恐怖症というのがあります。こういう所へ出てこられても、なにか人に会うといやだから、なるべく隅の暗い所へ座るとか、あるいはそもそもこ…
----- ところが、語りというのは上下関係がなくなってくるのです。一緒に面白い語りをしなければ帰ってしまいますからね。「告げる」の上下関係に対して、「語る」ということは関係がだんだん深まっていくのです。そういうことが非常にうまく書いています。 …
----- 「水は人民だ。川の流れも、湖も、あるいは海でさえも、バラバラにしてしまえばたどり着くところ一滴の水になる。しかし一滴一滴の水には力がない。集まって湖となり、川となってひとつの形をなしたときに、力を得る。しかし、水自体にみずからの形は…
----- 退屈なのは、世界の責任じゃない。 怠惰な僕たちの創り出している世界が、退屈なだけなのだ。 だから、 目を見張れ。 耳をすませ。 感覚を研ぎ澄ませろ。 そして、準備を怠るな。 驚異的なダッシュを見せつけるために、身軽になれ。 誰かが勝手に決め…
----- 「おまえはいま、色んなことに気づき始めている時期なんだよ」 バトンタッチを受け、朴舜臣は言った。 「どういうこと?」とわたしは訊いた。 「おまえのまわりを取り囲んでいるシステムとかカラクリとか、おまえがこれまで特別に意識してこなかったも…
----- 「日本の憲法でいえば、第二十二条の二項にちゃんと書かれているよ。『何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない』。憲法の条文の中で、一番好きな条文なんだ。カッコいいからね」「でも」と《在日朝鮮人》の男が言った。「俺たちが…
----- 「君たち、世界を変えてみたくはないか?」 僕はその瞬間のことを、いまでもはっきりと覚えている。僕は教室の一番後ろの席に座っていたからよく見えたのだけれど、ウォークマンを聴きながら居眠りをしていた奴らがいっせいにドクター・モローの言葉に…
----- 「先生、ほんとうは自分でそうおっしゃりたかったんじゃないですか。―――オトナになれよって」 「まあな」 泰山はいい、しばし自問するかのような間を置く。「たしかにいま、日本中がどうも子供じみているような気がする。政治家に女がいたらけしからん…
----- 親愛なるみなさん、二◯一二年十月九日、わたしは左の側頭部をタリバンに撃たれました。わたしの友だちも撃たれました。タリバンは、ピストルでわたしたちを撃てば、わたしたちを黙らせることができると考えたのでしょう。でも、そうはいきませんでした…
----- その意味で、たとえ知識や教訓が得られたとしても、中身の薄い小学生向きの伝記や歴史マンガなどは、「いい本」とは言えないことがわかっていただけると思います。「なんでもいいからたくさん」と言われて数をこなすために読むような本も、もちろんだ…
----- 授業がはじまると、 「あああ。」 と、わざと大きなあくびをしたり、いびきをかいて眠ったふりをするものも多かった。 万次郎は、しかし、おこらなかった。 漁師あがりの身分とはいえば、たしかにその通りだったし、また、サムライたちが、その漁師を“…
----- ここまで書いてきて思うのだが、やっぱり現代社会は変である。文部省は生きる力を与える教育といったが、生きる力がない生き物なんて、そもそも生き物じゃない。そんな変な存在がいまの子どもだと、本気で思っているのだろうか。現代は先が見えない時…
----- ミスの原因を突きつめて、次の対策を見つけることが反省だ。似ているようでいて、言い訳と反省は違う。ミスを認めるからこそ、反省して次に進める。 それまでは、失敗をしたときにミスを認めるのは、恥ずかしいことだと思っていた。なんとか言い逃れを…
----- 「はい」 大きな声出した。足立先生だ。 「ヤジがとばせないので苦しい」 みんな大爆笑だ。 「村野さんはまちがったことをいっているので訂正しえおく」 足立先生は高飛車にいった。そういうものの言い方と、ようしゃのないところが煙たがれるところだ…
----- 「オーナー。今日はいい試合ができるよ」 隣でキャッチボールをしている佐藤博行が声をかけた。 「監督さんもそう思いますか。みんな気合が入ってますよねえ」 「今日は全員が、野球をするのが楽しくてしょうがない、という雰囲気でまとまっている。や…
------ そもそも僕らが生きているこの世界には、想像を絶するぐらいのたくさんの情報が蓄えられています。そして、「学ぶことそのもの」を楽しむ人は、「目的意識」を動機づけにする人よりも、圧倒的に豊かな情報をそこから引き出し、自分の中に取り込んでい…
----- これらの、失敗や無能の汚名に対する日本人の反応と全く同じ態度が、アメリカにおいてもたびたび見受けられる。我々は皆ひとから悪しざまに言われると狂気のようになって怒る人びとのいることを知っている。しかしながら我々アメリカ人は日本人のよう…
----- 刑務所には決して起こしてはならない三大刑務事故と呼ばれるものがあります。「自殺」と「火災」、そして「逃走」の三つです。 桐分校には10月と2月に施設内教育(遠足)があります。 受刑者は裁判所に出廷するときや移送されるときなど刑務所の外に出る…
----- 橋口 ただ、今まで私がイメージしていた「祈り」って、漠然と幸せになりたいとか、みんなが幸せになりますように祈りましょうっていう空気感のようなもので。あと、世界平和のためにとかね。 内田 漠然とした祈りは弱いよね。具体的に、そしてできたら…
----- 「いいか、この100年カレンダーをよく見てみろ。この中に、君たちの命日が必ずある。私のは、カレンダーの上の方だろう。君たちは、中ほどだ。でも、必ずこの中にある」 いきなり命日の話をされて、新人社員たちも面喰います。若い時には死をさほど…
----- 大道の歌 1 徒歩で、心も軽く、わたしは大道に魅きつけられる、 健康で、自由、世界はわたしの前にある、 わたしの前にある長い褐色の路は、わたしの選ぶどこへでも導いていく。 これからは、わたしは幸運を求めない、わたしじしんが幸運なのだ、 こ…
----- ぎりぎりで空港に着いた。見上げたボードには便名の横に、満席の文字。予約はしていない。あきらめきれず、航空会社の係りの女性の所に行った。 「〇行きの×便、一席だけなんですが、空いてませんかねえ」 さっきから何度も同じような質問を受けている…
----- 「さて、この実験の目的はピッツやオーヴァストリートのちがいを見いだすことではない。いまの実験で明らかになったのは、たとえどんな人でも、ほかの人の近くにいると、自分の内面の声をききとることや、信念を守ることが、どれほど困難になるかとい…
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----- 「ハガキノキ」とよばれる植物があります。この植物の葉っぱは、長いものなら長さ約二〇センチメートル、幅七~八センチメートルでかなり大きいのですが、何の変哲もありません。ところが、この葉っぱを一枚切り取って、その裏面に、釘か細い針金、あ…