読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

優れた人との出会いが、向上心を刺激し、人間性を高める

f:id:mind1118:20130901152522j:plain

 

-----

 

  一人の静かな時間は、人を育てる。

 人と楽しくコミュニケーションをする中でももちろん人間性は養われるが、一人きりになって静かに自分と向き合う時間も、自己形成には必要だ。音楽を聴きながらボーっと一人でいる時間も楽しい。

 しかし読書は、一定の精神の緊張を伴う。この適度の緊張感が充実感を生む。読書は、一人のようで一人ではない。本を書いている人との二人の時間である。著者は目の前にいるわけではないので、必要以上のプレッシャーはない。しかし、深く静かに語りかけてくる。優れた人の選び抜かれた言葉を、自分ひとりで味わう時間。この時間に育つものは、計り知れない。読書好きの人はこの一人で読書する時間の豊かさを知っている。

 インターネットの隆盛に伴って、すべてを情報として見る見方がいっそう進むであろう。素早く自分に必要な情報を切り取り、総合する力は、これからの社会には不可欠な力である。しかし、何かに使うために断片的な情報を処理し総合するというだけでは、人間性は十分には培われ得ない。

 人間の総合的な成長は、優れた人との対話を通じて育まれる。身の回りに優れた人がいるとは限らない。しかし、本ならば、現在生きていない人でも、優れた人との話を聞くことができる。優れた人との出会いが、向上心を刺激し、人間性を高める。

 読書力さえあれば、あらゆる分野の優れた人の話を落ち着いて聞くことができる。実際に面と向かって話を聞く場合よりも、集中力が必要だ。言葉の理解がすべてになるので、緊張感を保たなければ読書は続けられない。自分から積極的に意味を理解しようとする姿勢がなければ、読書にはならない。読書の習慣は、人に対して積極的に向かう構えを培うものだ。

 

齋藤孝 『読書力』「Ⅰ 自分をつくる」58-59頁、岩波新書、2002年)

 

-----

 

先日、ある介護の仕事をしている先輩と、介護と教育の共通するところや、仕事をする上での心構えみたいなことを話ししました。

人間の持っている可能性を発揮させる、その人が持つ力を引き出すのが僕等の仕事であると。教育は直接的に子どもに働きかけることもありますが、子どもたち自身が自らの力を発揮できるように、「環境を整えること」も大切なんだなと思いました。これは介護の世界では鉄則のようです。

「子どもたちの中に答えがある」

なるほどと、感心することが多々あります。

今思いつきましたが、特別支援教育は特に環境を整えることが重要なんじゃないかと。もちろん、全般的に言えることですが。

 

また、その人は趣味で映画の撮影・編集・出演などをしてみえます。映画を作成し、自身の作品を振り返ること。これが、なかなかできない。これは、教師でいうところの、授業研究。自分の姿をさらけ出し、本当の自分を見つめ直すこと。これは嫌なんですよね。どうしても人間というのは、本当の自分を見つめることが怖かったりします。が、この振り返り・反省会がなければ、よりよい自分には成長できませんし、今の自分に安住してしまえば、堕落が始まるということです。

「これでOK」「ここまで頑張ればいいだろう」というのは、慢心以外の何物でもない。

要注意です。

 

様々な分野の人との対話は、知らなかった世界を知ることができますし、自分の生きる分野を見つめ直すいい機会になります。

それと同じ力を持つのが、読書なんですね。

幸いにも、優れた人たちが回りにいて、対話できる環境が整っていることは、非常に有難いことです。

そして、読書できる環境にあることも、また感謝です。

 

 

 

f:id:mind1118:20130901152544j:plain

 

 

 

読書力 (岩波新書)

読書力 (岩波新書)