他人の働きに口を出そうとするならば、試しに自分をその働きの立場において、そこで反省してみなければいけない。

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 今日、世間のありさまを見ると、傲慢無礼で嫌われている人がいる。人に勝つことばかり考えて嫌われる人がいる。相手に多くを求めすぎて嫌われる人がいる。人の悪口をいって嫌われる人がいる。どれもみな、他人と自分とを比較する基準を誤っているのだ。自分の高尚な考えを基準にして、これを他人の働きと照らし合わせる。自分勝手な理想像を基準にし、それで人に嫌われる原因を作って、最後には自分から他人を避けるようになり、孤独で苦しい状態におちいるのだ。
 ここで言っておこう。次世代の若者たちよ、他人の仕事を見て物足りないなあ、と思えば、自分でその仕事を引き受けて、試しにやってみるのがよい。他人の商売を見て、下手だなあ、と思えば、自分でその商売を試してみるのがよい。隣の家がだらしない生活をしていると思えば、自分はしっかりと生活してみよ。他人が書いた本を批判したかったら、自分でも筆をとって本を書いてみよ。学者を評しようとするなら、学者となれ。医者を評しようとするなら、医者となれ。
 非常に大きなことからとても細かいことまで、他人の働きに口を出そうとするならば、試しに自分をその働きの立場において、そこで反省してみなければいけない。あるいは、職業がまったく違ってその立場になれない。というのであれば、その働きの難しさ重要さを考えればよい。違った世界の仕事であっても、ただ、その働きと働きを比較することができれば、大きな間違いはないだろう。


福沢諭吉齋藤孝訳『現代語訳 学問のすすめ』ちくま新書)

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安全なテレビの中で、色々と評論している人たちがいますが、
じゃ、お前は何やってるんだ!
と言いたい。

が、逆に自分もそんなことを言う資格はないのだろう。

ましてや、
自分の親には、何も文句は言えません。

とても真似できません;


しかし、まぁ、
テレビを見ていると、ホント、口だけの人が多いこと!

口だけの人と知ったかぶりの人は、キライですし、自分もそうならないように気をつけようと思う今日この頃。


愚痴を言うよりも、まず褒めよう!


学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)