2012-01-01から1年間の記事一覧

一誠兆人を感ぜしめ

- 松陰は言う。「僕は毛利家の臣なり。故に日夜毛利に奉公することを練磨するなり、毛利家は天子の臣なり。故に日夜天子に奉公するなり。吾等国主に忠勤するは即ち天子に忠勤するなり」。そして毛利家や幕府に非がある場合は諌主・諌幕のために「一誠兆人を…

子どもがどんなに喜んだ顔をしていても、それに惑わされず、ほんとうによい仕事をしているかどうか、きびしく自己規制ができる人、それが教師です。

- このごろ、教師という職業はあまり尊敬されなくなりましたが、私は教師というものが尊敬された時代に教師になりました。そのころは、教師になりたいという子どももたくさんいた時代でした。私もまたそうしたあこがれで、教師になったといってよいでしょう…

生まれたときにわたしたちがもってなかったもので、大人になって必要となるものは、すべて教育によってあたえられる

- 植物は栽培によってつくられ、人間は教育によってつくられる。かりに人間が大きく力づよく生まれたとしても、その体と力をもちいることを学ぶまでは、それは人間にとってなんの役にもたつまい。かえってそれは有害なものとなる。ほかの人がかれを助けよう…

全力を傾注する学業そのもの

- 大次郎は以上の七巻を豊島権平から借りて宿へ帰った翌日から腹痛をおこして九日間寝込んでしまったが、病床で全巻を読破し、抄録もおこたらなかった。この叢書には続篇七冊があるが、それも後に読み終わったことを記録している。 読書録を見ると、読了すれ…

悩みて しかる後 強くなることの いかに荘厳なるかを

- かかる世にありて 恐れることなかれ。しかして汝、ほどなく知るべし、悩みて しかる後 強くなることの いかに荘厳なるかを (ロングフェローの詩) - 新年度が始まり、小学校講師として出発しました。今日は、校長先生から辞令を受け、教職員の皆さんに簡…

生死を度外視して、要するになすべきことをなす心構えこそが大切

- 松陰はかつて門下生の高杉晋作から、「男子の死すべきところは」と質問されたことがあった。それに対して明確な答をしまいままだったが、江戸送りとなり、死に直面してはじめて悟るところがあった。松陰が高杉にそのことを教える大要次のような手紙を書い…

いくら理想を掲げても、現実には崩れることもあるでしょう。だからといって諦めたり、最初から理想を持つことを放棄したりしてはならない

- ただし、教師には2つ、ぜひ心に留めてほしいことがあります。たとえば親は、もしも自分の子どもに矢が飛んできたら、きっとわが身を前面に出してでも子どもの命を守ろうとするでしょう。愛情ってそういうものですよね。教師は親とはちょっと違うけど、子…

子供たちは 小石を集めては また撒きちらす。子供たちは 隠された宝を探そうとはせず、網打つ術も知らない。

- 子供たちは 砂で家を作り、貝殻で遊ぶ。枯葉で小舟をあみ、愉しげに 広い海に浮かべる。子供たちは 世界の海辺で 戯れ遊ぶ。 子供たちは 泳ぎを知らないし、網打つ術も知らない。真珠採りは 真珠を求めて海にもぐり、商人は 船に乗って航海する。そのあい…

良書を読め

- 「こういう物語は少年に人生や仕事に対して間違った考えを与えてしまうんですよ。知らなくてもいい悪いことや下品なことを教え、お姫様をお嫁に貰うとか、世間的な名誉をさずかるとか、骨を折らないで一攫千金の夢を見るようになります。誰か生き生きした…

真の生命というものは、殻つぶのうちに生命がひそんでいるのとおなじように、人間のうちにいつもひそんでいて、時が来ると、その姿をおもてにあらわすものである

- 人間という存在のうちに真の生命のあらわれる経過を観察して、しらべてみると、よくわかるのだが、真の生命というものは、殻つぶのうちに生命がひそんでいるのとおなじように、人間のうちにいつもひそんでいて、時が来ると、その姿をおもてにあらわすもの…

受験こそ、子どもたちみんなで助け合って突破してもらいたい

- 生徒同士でテストを採点させたように、私は常に「話し合いの勉強」「共同作業」ということを重視してきました。 とりわけ高校生になると、受験という問題は避けて通れませんし、しかもそこでは、とかく「競争」「ライバル」「孤独」といった要素が強調され…

朋あり、遠方より来たる、また楽しからずや

- 学びて時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや。朋あり、遠方より来たる、また楽しからずや。(孔子『論語』) - 先日、幼稚園からの友人に会ってきました。山口県まで行きました。いや〜、遠かったですね〜;中学校時代のバスケ部メンバー3人と運転…

教育熱心な長州藩

- 長州藩の領地は、真ん中に中国山脈が横たわり、田畑となる平野部分が少ない。農業だけでは、食べてゆけそうにない。そこで長州藩では多くの人々が知恵を出し合い、産業を興して、藩を運営してゆく。 特に重要な特産品として開発されたのが、米・塩・紙・蝋…

優秀な監督は、生徒たちにスポーツの本当の楽しさや、自分を追い込むことの大切さを理解させています

- 原点に返るというのは、簡単なようでいて大変に難しいものです。私は普段、試合に負けたときはすべて監督の責任だと思っています。負けるような試合をする選手を育てたのは私なのです。ですから試合に負けたときは、理由を考えているまでも眠れません。答…

平氏を滅ぼすものは平氏であり、鎌倉を滅ぼすものは鎌倉だ

- 童門 いまの世相というか、政治情勢に合わせるわけではないけれども、徳川家康がいった言葉がぼくがずっと頭に残しているのは、 「平氏を滅ぼすものは平氏であり、鎌倉を滅ぼすものは鎌倉だ」 といっているんですよ。つまり、敵は内部にある。滅ぼす要因と…

引き出し手によって、人間というのは底知れぬ力を発揮する

- 引き出し手によって、人間というのは底知れぬ力を発揮するものだ。 このエピソードで藤吉郎が成功したのは、まず、 “なんのためにこの仕事をやるのか” という目的を、下で働く者全員にしっかりと理解させたことである。そして次に自分の属する組に入って自…

不充分な実験、断片的理論、人間同士の不和に満ちた現代が、人類の最高の時代などと私にはとても思えない

- 彼はもどって来るのだろうか。過去に逆もどりして、旧石器時代の血に飢えた毛むくじゃらの蛮人に捕まったのだろうか。それとも、白亜紀の深海の底か、ジュラ紀のグロテスクな蜥蜴や巨大な爬虫類の中へ飛びこんだのだろうか。今も―――今というのは少し変かも…

いいふらされた愚にもつかないことを信じきっている

- 「キリスト教徒の旧約聖書は、ユダヤ人の聖なる書物である。ユダヤ人は、それをトーラーと呼ぶ。≪教え≫という意味だ。トーラーには、神がモーセに示された掟がかかれている。ユダヤ人はこのトーラーについて、またその掟について、一生けんめい考えた。そ…

天国までおれの名前が届くように

- おれ あいつのぶんも強くなるから!!! 天国まで おれの名前が届くように 世界一強い大剣豪になるからさ!!!! (尾田栄一郎『ONE PIECE 巻一』「第5話“海賊王と大剣豪”」139頁、集英社) - 講師登録の書類を提出してきました。午前中に健康診断に行き…

人間の理想像をおのがじし胸に画いて、その実践に努めねばならない

- 最近とみに、人類滅亡の危機が叫ばれ、それを載りこそうとして、平和への道の模索が真剣に語られているが、このような危機は、いまにはじまったことではない。一万五千年の昔、すばらしい前頭連合野をいただいた現代人が出現したその瞬間から、はじまって…

子どもを教えるには、手をかけてやると同時に、目をかけてやらねばならぬ

- 近年、赤ん坊の保育にスキンシップの重要性が強調されているのはゆえなきことではない。お乳を飲ますときの肌のふれあい、だっこしたり、おんぶしたりするときの皮膚の圧迫によって、赤ん坊の心は母親のなかにとけこみ、安らいだ心で育ってゆくのである。 …

素晴らしい友人がそばにいてくれれば、心が癒される

- しかし名前は知られなくとも、この人たちの影響は、恩恵を与えた人々の人生の中に、永遠に留まることになるのだ。人生の記念すべき日―――。それは、一流の詩のように、私たちの心を躍らせる人と出会った日だ。握手をしただけで、もの言わぬ思いやりの心が伝…

「自信を持ちなさい」というよりも、ほめるほうがはるかに自信を持つ

- なぜ、子どもはほめられると“やる気”がでるのでしょう。 第一に、それは、ほめてくれるお母さんの顔がにこにこしていて、声が明るいからです。子どもはお母さんの顔と声に最も関心が高く、敏感です。じつは、赤ちゃんの時でもほめてあげれば、顔と声で十分…

近況報告

こんばんは。少し暖かくなってきましたね。週末はまた寒くなるそうですが。引き続き、体調管理には気をつけたいです。 さて、今日の夜、教育委員会から電話がありました。講師についてです。市の教育委員会に講師登録をし、市内の小学校へ勤務できるかと思っ…

生きている人たちが思い出してくれて、目がさめるのを待っているんだよ

- おばあさんチル でも、お前たちあの日わたしたちのこと思い出したろう? チルチル ええ。 おばあさんチル それごらん。わたしたちのことを思い出してくれるだけでいいのだよ。そうすれば、いつでもわたしたちは目がさめて、お前たちに会うことができるのだ…

習慣は第二の天性を作る

- 年一回ぐらいでなく、毎月、毎日、もしくは一日中に三度も四度も自分の発心に注意しなければ、勢いそれが鈍くなりやすい。習慣は第二の天性を作るというが、毎日幾回となく、発心に注意すれば、すなわちこれ発心を継続することである。その間にいつしか習…

子どもたちに名作を与えておきながら、自分が読まないのは犯罪だよ

- 教師も親も子供の成長のために何かをするよりは、じっと見守ることの大切さを毛利さんは指摘され、私のエッセイ『おはなし おはなし』のなかの「ただ座っていること」の難しさに触れた部分に言及される。教師が子供に何やかやとしたり言ったりするときは、…

ばかは死ななければなおらない

- つまり、われわれはここで、愚者と賢者の間に永遠に存在している相違そのものにつきあたるのである。賢者は、自分がつねに愚者になり果てる寸前であることを肝に銘じている。だからこそ、すぐそこまでやって来ている愚劣さから逃れようと努力を続けるので…

星占いが何の役に立つのでしょうか。娘をめとることこそが実に〔めでたい〕星ではないのですか

- 迷信・ドグマの排除 バッタチャリヤ博士の挙げられた二番目の「迷信やドグマや占いを排除した」ということを聞くと、多くの人は「あれ?」と思われるのではないだろうか。多くの日本仏教を見ていると、迷信的なことが多いように見受けられるからだ。 筆者…

役職が上だからといってその人物のいうことが正しいわけではない

- 私は、強い組織、伸びる組織をつくるには、人と人がつながりを深め、お互いを“信頼”することから始めなければならないと思っている。 では、その“信頼”は何から生まれるのか。それこそ、孔子のいう「正義」「礼節」「謙遜」「信義」なのではないだろうか。…