人の心が分かる心を教養という

----- 人間科学の講義で、今年は最初に、個性だの自分だのと、若い未熟な人間がバカなことを考えるなと、はなはだ乱暴なことを語った。それより自分の友だち、親兄弟の気持ちがよく理解できるほうが、よほど人生が豊かになるのではないか、と。私は他人の気…

男はドンと胸をはれ!!!! by トムさん

----- カントは極貧の幼年時代・少年時代・学生時代を過ごした。そして、一七四六年、二二歳でケーニヒスベルク大学を卒業した彼には、不安定で貧しい長い長いフリーターの生活が待ち構えていたのである。彼が大学の正教授としてのポストを得たのは、じつに…

われわれは他人に迷惑をかけなければ、何もできない

----- わが子が世間的に成功している場合―――とくに親のあとを継いで立派な学者や役者や政治家になった場合―――親たちはほとんど人間としてのまともな感覚を失った道徳的エゴイストに変身する。そして、例えば「何でもしてよい。だが他人に迷惑だけはかけるな…

久々の筋肉痛

昨日の月。 デジカメの夜景モードで撮ったら、こんな明るくなりました。 普通に撮ったらこんな感じ↓ 月明りで影ができるほど、明るかったですね。 さて、 教採1次が終わって、校長先生や教頭先生に受験の様子を報告。 2次に向けて、アドバイスを受けました…

ひとは他者に勝ったときに幸せになるのではなく、他者に役に立つ存在になったときに幸福や生き甲斐をや永遠を感じる

----- 私たちの生きる喜びや確信は、高偏差値や、高収入や、「勝ち組」という価値観とは違うところから導きだされるはずである。私も広田氏とともに、ひとは他者に勝ったときに幸せになるのではなく、〈他者に役に立つ存在にな〉ったときに幸福や生き甲斐を…

子ども一人ひとりに構成されている生活が、あるいは理想的な親子関係や家庭が、子どもたちを「知」の世界に導く直接の契機になるわけではない

----- 私も生活と勉強は切り離して考えていない。生活が構成されていないと勉強への取り組みはむずかしい。生活と勉強は地続きだと思う。子どもは精神的に安定している必要がある。親との交流や家庭のあり方は勉学にも大切である。 しかし、子ども一人ひとり…

人間を理性だけと考えることが危険なのである。

----- もともと特別なのだら文化的動物に鍛え上げる必要はなく、ただ知識を学んで「知」的に上昇していけばいい。勉強することは人間の本質(本性)であり、自然に内から溢れ出てくる力なのである。だから、何もひとは変革されなくてともただ「知識を学ぶ」…

国民主権の原理は、憲法の根本規範だから、憲法内部の論理では変更不可能

----- 占領期に日本国憲法が制定されたことへの批判はいまだに根強いものがあります。国の最高法である憲法はその国民が決定しなければならないのに、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の事実上の指導の下で、いわば「押しつけ」られて制定されたのであるから…

「切り札」の模様替えをはかろうとする議論に、安易に乗るのは、やはり「あぶない」こと

----- よく、「憲法は空気のようなものである」などと言われます。空気は生きていくうえで欠くことのできない重要なものですが、空気を吸ったり吐いたりすることが私たちの意識にのぼることは、あまりありません。しかし、空気が汚されたり、酸素濃度が低下…

子どもたちの触手が「外へ」と拡がる契機となるもの

----- 子どもの言語状況は「言葉があまって思いが足りない」というかたちで構造化されるべきでしょう。それゆえ、美しく、響きがよく、ロジカルな「他者の言葉」に集中豪雨的にさらされるという経験が国語教育の中心であるべきである。私はそういうふうに考…

みんなが同じイデオロギーに乗って愉しく踊っていたら、気がついたら「そんなふう」になってしまいました

----- 「自分らしさ」は「商品購入行動」でしか表現できないというイデオロギーが支配的なものになったのは、八〇年代から後のことです。それまで消費単位は家族でした。家族が消費単位であると、消費活動はあまり活発ではありません。消費に先立って「家族…

「知りません。教えてください」

----- 繰り返し申し上げているように、専門教育では、「どうしてこんな教科が存在するのか?」という根源的な質問はしてはならないことになっています。でも、現場ではいきなり「先生、なんでそこに突っ立ってるの?」という想定外の質問に直面することにな…

「師匠を持たないものは敗れる」

----- 「師であることの条件」は「師を持っている」ことです。 人の師たることのできる唯一の条件はその人もまた誰かの弟子であったことがあるということです。それだけで十分なんです。弟子として師に仕え、自分の能力を無限に超える存在とつながっていると…

「師を持っている」ということだけでいい

----- 内田 ・・・教師に必要なのは一つだけでいい。「師を持っている」ということだけでいい。その師は別に直接に教えを受けた人である必要はない。書物を通じて得た師とか、あるいは何年か前に死んだ人で、人づてに聞いてこんな立派な先生がいるというのを…

「親しみが感じられ、敬意を抱くことのできる北朝鮮の人」と個人的に出会う経験

----- 日米関係は現在友好的に推移しているが、その最大の理由はアメリカの世界戦略と日本の国益のあいだに密接なリンゲージがあることよりむしろ、日本国民のかなりの数が、実際に日常生活の中でアメリカ人と知り合い、そこで親しくかかわった経験を持って…

「ねえ、ここどうするの?」という問いを発することから、学び合いが出発する

----- 個人作業の協同化においては、わからない子どもが「ねえ、ここどうするの?」という問いを発することから、学び合いが出発する。この質問に応える子どもは、つまずいている子どものつまずきを理解し、つまずいている子どもがわかるように説明しなけれ…

「戦争状態にあるおかげで明晰である」より「平和状態が続いて頭が働かない」ことの方が百万倍もハッピーなこと

----- 「平和ボケ」という言葉がよくネガティヴな意味で使われるが、私は「平和ボケをしていられる社会」というのは理想的な社会だと思っている。「戦争状態にあるおかげで明晰である」より「平和状態が続いて頭が働かない」ことの方が百万倍もハッピーなこ…

「民族」は、人間社会を喰い尽くすタチの悪い病

----- 森巣 えー、不肖、浅薄な知識の博奕打ちが、東京大学社会情報研究所の姜尚中教授の前で、不遜にも、私が考えてきた「民族」という名の病にかかわる報告を発表させていただきます。タイトルは、「民族幻想の正体」。 姜 よろしくお願いします。 森巣 は…

蒼蠅驥尾に附して万里を渡り

----- 天才と凡人の頭脳との差別は程度の差別であるという点からみれば、それはたしかに量的な差別にすぎないけれども、平凡な頭脳の持ち主が、個々さまざまでありながらも、何か共通の思考方向を具えていて、そのために、同様の機縁にふれると彼ら全部の思…

草木の芽生えを楽しみながら歩けば、それはすでに文化的な活動

----- そこで大きな力を持つのが、文化です。衣食住の必要を満たすだけでは、文化とは言えませんが、たとえおなじ食べ物でも、盛りつけにちょっと工夫をこらせば、それはすでに文化です。あるいは、道をただ急ぐかわりに、草木の芽生えを楽しみながら歩けば…

子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。

----- 子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。これこそたしかに、あらゆるよい教育の根本原則だ。 (ルソー著、今野一雄訳 『エミール(…

ウサギvsカメ

ウサギの相手はカメだったようだが、カメの相手はウサギじゃない。自分の信じる道をただ真っ直ぐ。いつまでも迷っているウサギ。確信を掴んだカメ。

集合体は、組織的な個人の人格性の抹殺の上に成り立ち、共同体は互いに向かい合うことによる人格性の高揚とその確認の上に成立する

----- 対立する世界にたいし望ましい制度の改革を求めて、共通の認識、共同体の意識なくして闘うところでは共同体の志向する精神は存在しない。共同体の志向する精神が成立するのは、現実をめぐって共同体自身の内部から生ずる闘いがなされるところである。…

私は何よりも先ず子供の信頼と愛著とを贏ち得ようとした

----- 一八 子供は自分の愛するものは何でも欲する。彼に名誉を齎すものは何でも欲する。彼の大きな期待を鼓舞するものは何でも欲する。彼に力を與へるもの、「僕にはそれが出来る」と子供に言はせるものは何でも欲する。 併しかうした意欲は言葉に依つて生…

全国大会で勝ったのは自分たちの仲間なんだ、というように学校全体に仲間意識が芽生える

----- 能代工の栄光は記録に残る選手だけで達成されたわけではないのです。周囲の人たちの力が合わさって勝っているのです。それは選手のご両親、下宿の方たち、クラスの仲間たちの協力です。 そのためにはきちんとした生徒指導が必要になります。近所の人に…

あの日あの時

Zeitgeist 2012: Year In Review - YouTube 2013年、5月となりましたが。 このシリーズ、好きです。 さて、今年はどんな1年となるでしょうか。 個人的には、「勝負の年」となりそうです。 いろんな意味で。

真の共同体は、人間の生き生きとした相互関係から創られる

----- 真の共同体は人々が互いに感情をもっているからといって成り立つものではない(むろん、感情なくしては、現実はあり得ないが)。むしろつぎの二つのことによって成り立つ。すなわち、真の共同体はすべての人々が生きた中心にたいし、生き生きとした相…

虚栄心や欺瞞に囚われることなく「本当のこと」を口にできたのは、唯一、幼い子どもである

------ アンデルセンの童話『裸の王様』にしても、笑われたのは権力者の王様だけではなかったはずだ。王様のまわりの従者たちも、パレードに参加した国民たちもみな同じことだった。つまり、権力を支えていた構造それ自体も笑われ、解体されたのだ。 布おり…

記録に残る歴史的事実は、記録者の主観を通して形を与えられたものばかりである

----- 「歴史の流れ」という言い方がよく使われる。あたかも、歴史が確固とした実在の河のようなものであって、過去の世界から未来の世界へ向かって、一定のコースを滔々と流れ続けているかのように聞こえる。しかし、これは錯覚である。普通に言うような意…

つらさよりも子どもを育てる喜びのほうが大きいから、子どもを育てる

----- じつは経済学は、人間は利己的なものだと考えているわけではありません。単純化のためにそうしているだけのことで、自分のことだけを考えているのが人間だとみなしているわけではないんですね。 つまり、経済学は、人間が利己的であるべきだ、という価…